第3話 ページ4
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血の気が引く音が聞こえた。
俺はただ苛つく彼奴を殺してやろうと殴り掛かっただけだった。
そうしたら隣の家まで吹き飛んだ。
家まで吹き飛んだ…
……家まで吹き飛んだ…?
________やっちまった。
心の中でダラダラと冷や汗を流す俺に話しかけたのは、能面の様な笑顔を貼り付けた女だった
二十二時。未だちらほらと人が見受けられる時間帯____しかしこの通りに人影は無く、瞬時に必然的に、
俺が吹き飛ばした家の家主だと確信した
「や"、之は違ェンだよ、」
何も違くねェけど。
その笑顔と事実に圧倒されて否定する
『“之”、って何のことでしょうね?』
思わず笑顔も引き攣って
無念にも目が勝手に泳ぎ始める。
「俺は何も知ら………」
『知ら?』
いや、知っている。全てを知っている。
この手で粉々にしてしまった瞬間がフラッシュバックして、俺は心の中で頭を抱えた
切羽詰まった焦りと煮え切った奴への怒りが競り合っている。
『先ず状況説明から善いですよね』
「い"、や、だから之は誤解だ、ッて」
では誤解の部分からどうぞ?
女が否応無しに笑顔を向ける。俺に黙秘権は無かった。今消去された。
その場に冷たく夜の風が巻き上がり、音を立てながら家の破片を転がして行った。
俺が作り出した、粉々の破片。
「………誤解、だ」
フラッシュバックする風圧。
フラッシュバックする
フラッシュバックする打撃音。
フラッシュバックする拳の感覚。
フラッシュバックする_____
「…………」
辛い。
簡単にフラッシュバックしてしまう記憶。
___犯人は確実に俺だ。俺しか居ない。
彼奴のせいでも何でもねェ
数分前、俺が家を吹き飛ばした。
「________本ッ当に悪い!!」
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レインボー文豪娘 - このぶっ飛んだ始まりと、「また家を吹っ飛ばしに行く」というセリフが素晴らしすぎました。最高でした。 (4月14日 22時) (レス) @page40 id: d65177cced (このIDを非表示/違反報告)
しおぽんら(プロフ) - テトさんと同じなのですが、プリ小説という小説サイトで活動していますか?設定もセリフも同じなので気になってコメントさせてもらいました。リンクはこちらですhttps://novel.prcm.jp/novel/U7KPVPevcPuDxlQlBkXn (9月2日 17時) (レス) @page1 id: 535c2b64b5 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - 初コメがこんなのですみません。あの…プリ小説という小説で活動していますか?なにやらプリ小説内で先程こちらと似たような作品を見つけまして…もしかしたらこの作品がパクられているかもしれないのでコメントさせてもらいました (8月30日 15時) (レス) @page1 id: e3b6735391 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫もふお - 神作品ありがとうございますっ!!! (8月18日 12時) (レス) @page18 id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 最高すぎて鼻血出るかと思いました (8月1日 13時) (レス) @page40 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
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