師匠 ウル ページ45
あなた side
３人がどこかへ去っていき、
岩陰から出てきた私たち。
「なーんか、ややこしい事になってきたなァ」
「何なんだろうねあいつ等」
ふいに隣にいたグレイが呟く。
「くそ…。
あいつ等デリオラを何の為にこんな所に持ってきやがった。
つーかどうやってデリオラの封印場所を見つけたんだ…。」
その言葉に、ナツは疑問符を浮かべて
グレイに問いかけた。
「封印場所？」
「こいつは北の大陸の氷山に封印されていた。」
「え？」
…それが、何でガルナ島に。
グレイはゆっくりと話を続ける。
「１０年前…イスバン地方を荒らし回った不死身の悪魔。
オレに魔法を教えてくれた師匠ウルが命を賭けて封じた悪魔だ。」
その言葉に皆、驚きを隠せずにいた。
…そんな繋がりがあったなんて思っても見なかっただろう。
「この島の呪いとどう関係してるのかわからねえが…
これはこんな所にあっちゃならねえモノだ。」
「零帝…何者だ…。ウルの名を汚す気ならただじゃおかねえぞ!!!」
グレイは大きな声でそう言い放つ。
それと同時に右手はギュッと力一杯握られた。
「オマエの師匠が封じた悪魔だァ？」
「ああ…間違いねぇ。」
ナツを初めとして皆が疑問を口にする。
「元々北の大陸にあったものがここに運ばれた？」
「もしかして島の呪いってこの悪魔の影響なのかしらね」
「考えられなくもねぇ、この悪魔はまだ生きてるんだしな。」
グレイが話終わるとナツが
いたずらっ子のように、にやっと笑う。
「おし、そーゆー事ならこの悪魔をぶっ倒してみっか。」
『それはやめな。ナツ』
ナツの今の強さじゃ
いくらなんでもそれは無理だよ…、
ルーシィも呆れたように言葉を述べる。
「あんたは何で力でしか解決策を思いつかないのよ。」
その刹那、グレイがナツを思いっきり殴り倒した。
*
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作者名：ゆうの | 作成日時：2014年1月29日 6時
