【おそ松さん】俺らの嫌いな妹は俺らが好きな歌い手だった ２曲目

５１話 ページ3

そらる(一ノ瀬彼方)side


今日は特にやることなかった。こんな日は久々だ。ゲームも何だかやる気はおきない。とてつもなく暇。

そんな時に青い鳥の通知。見ればクリアが生放送すると書いていた。そういや喧嘩売ってたっけ。

そばにあるパソコンを開いて生放送が始まるのを待った。待ってる間にまふから電話が来て一緒に見ることに。


ま「そらるさん始まりましたよ！」

そ「りょーかい」


さて、どんなことを言うのやら。少しの不安と何とも言えない感情が胸の中を掠めた。

結果？から言うと、クリアは完全にアンチを敵にした。


『アンチの人、暇なんですか？』


という一言で。何やっちゃってんのクリア、もとい松野さんは。一気に荒れるコメント欄。その中は賛否両論。


ま「だ、大丈夫、ですかね？」

そ「んー。俺からも言っとくか」


ということで俺もコメント欄にコメントする。荒れてるからバレないと思ったけど、その考えは無意味だった。

スマホの通知音とパソコンのコメント欄が凄いことになる。目と耳が痛い。


〉〉何でこんな奴にＭＩＸしたんですか！？
〉〉そらるには失望したわ


俺は、何か間違ったことをしたのか？誰のＭＩＸしても良いじゃん。あいにく、俺はリスナーの人形じゃない。俺のやることは俺の勝手。


『あぁー！うるっさい！』


モヤモヤ考えてると画面からクリアが叫んだ。めっちゃキレてる声で。


『私が悪者で良いよ！それで解決して、そらるさんのことをまだ好きでいてくれるなら！

でも！歌い手だって人間だ！応援してくれる人の為に何かする人もいるけど、人形じゃない！やりたいことをやって何が悪い！

……生きてる人全員に認められる人なんていないよ。現に私を嫌ってる人の方が多いってのは分かってる』

〉〉そんなこと無いよ！私はクリアのこと好きだよ！
〉〉何か今の言葉グサッときた
〉〉ＭＩＸしただけでそらるさん嫌うとか本当のファンじゃない。本当のファンならクリアっていう歌い手を見つけたことに感謝するべき


クリアの心の叫びのような言葉。それでアンチのコメントが格段に減った。まぁチラホラ見られるけど。


『ごめん。叫んじゃって。あと、○○○○ってコメントした人ありがとう。初めての生放送の時にいてくれた人だよね』


覚えてるんだ。そんなことまで。この人はどこまでも優しい。それも自分の身を削るほど。


ま「こんな人が、悪者なわけ無いじゃないですか……」


まふの言葉は部屋に静かに溶けていった。

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