【おそ松さん】俺らの嫌いな妹は俺らが好きな歌い手だった ２曲目

５９話 ページ12

ま「んん……どうしたの？」

天「いやー、ちょっと聞きたいことがあって」


この声、絶対に相川さんだ。眠たそうだから寝かせてあげてよ天宮さん！

なんて届くはずも無く。


天「お前の知り合いにAって言う人いる？」

ま「A？まぁ、いるけど」

天「名字は？」

ま「松野だけど……って何でそんなこといきなり」

天「名字、教えてくれる？」


わぁ、黒い笑みとはこういうことを言うんだね。これぞ蛇に睨まれた蛙。ちなみに鍵の所に手を置いてるけどバレて無い。スキを見て逃げよう。


『松野、松野A、です……』

ま「え、今松野さんと一緒？」

天「あー、いや、それは、な？」


何か言い合い始まったんだけど。鍵をおそるおそる動かして何とか解除することが出来た。音鳴ったけどバレて無い、はず。


天「あぁー、分かった分かった。明日会うからその時で良いか？」

ま「言いましたからね？！絶対ですよ！」


あ、切れた。電話も切れた上に逃げる道も切れた。どうしよう。

でも、ドアは開けられる！よっし、豆腐メンタルを固くするときが来た！

外を見ると、公園の横に止めていた。相川さんと一ノ瀬さんに会ったときの公園。ここからなら帰れる！

荷物は正直重いけど、この空気よりも重いものは無い。よっしゃ、火事場の馬鹿力を出せるか！？


『し、失礼しま(ｶﾞｼｯ』

天「だから送るって」

『oh……』


結果、豆腐メンタルは強くならなかった。

また車に連れ込まれ何とも言えない空気が流れる。何か話すべき？でもこの状況で話すことが思いつかない。

空気の重さに勝てず、口を開きかけたときに声が出たのは私じゃなくて


天「あの、すみませんでした。僕の勝手な勘違いがこんなことに」

『い、いえ！私がちゃんと説明してなかったのが悪いですし、なので顔を上げて下さい！』


凄く申し訳無いから止めてほしい。

その後、簡単に説明をした。兄さんたちのことと歌い手をしていることを除いて。まぁ第三者には関係無いことだし。


天「じゃあ、まふが言ってた助けてくれた人って松野さんだったんですね」

『それ一ノ瀬さん、そらるさん？にも同じ紹介してたみたいで……広まってるんですか？』

天「青い鳥で呟いてたよ。詳しくは言って無いけど、まふが結構他の歌い手に伝えてる。珍しいことで皆びっくりしてた」


「ほらこれ」と言われて見てみると確かに書いてあった。でも相川さん言わせて。

何で「とある人」って表示にしたんですか。

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