4話 ページ5
「テツくん!黒子テツヤくん!」
さつきは目をキラキラと輝かせながら言ってきた。
「んーと、この間一軍に上がってきた子?」
「そうだよ!もうね、すっごくかっこいいの!」
確か、そんなにイケメンというわけではなかったと思うけれど、好みは人それぞれなので、そうなんだ、とだけ言う。
それに、さつきが惚れた相手なら、悪い人ではないのだろう。
「うんっ、きっかけはアイスの当たり棒だったんだけどねっ」
「アイス?」
「わたしがね、部活帰りに皆でアイス食べてるのいいなって思って、青峰くん達を見てたら、テツくんがアイスの当たり棒をくれたの!」
「ほー、良かったね」
「うん、もうテツくんカッコよすぎるよー‼」
そう言ってさつきは頬を真っ赤に染めた。
今まで全くさつきのそういった話を聞いた事が無かったため、さつきに好きな人が出来て素直に嬉しい。
自分はどうなんだという話なんだけど。
「あっ、そうだ。結局Aは?気になる人とか居ないの?」
話を元に戻されてしまった。私は考えながら返事をする。
「うーん、特に居ないかなあ」
一瞬、思い浮かんだ人が居たけれど、その人は苦手な部類に入るので、気になるの意味が違うから却下だ。
「そっか〜、じゃあ出来たら教えてねっ」
「うん、さつきには一番に言うよ」
「ふふっ、ありがとうっ」
学食から教室への帰り道、その人に会った。
「あっ、赤司くんだ。むっくんも居るっ」
さつきはそう言うと、手を大きく振った。
「ああ、桃井と蒼井か。今日は、出来るだけ早く部室に来て欲しい。3時50分からミーティングだ」
私とさつきは、バスケ部一軍のマネージャーだ。
そして彼、赤司くんは我らが主将である兼、私の苦手な人No. 1をぶっちぎりで独走中である。
別に嫌いではないよ?苦手なだけで。
「うん、分かりました」
そう返事をして別れようすると、赤司くんは私を呼び止めた。
「ああ、あと蒼井は部活後、少し話したい事があるから終わったらオレのところに来てくれ。」
「え、あ、はい」
私は、話って何だろと思って戸惑いながらも一応頷いた。まあ、次の試合の事とかかなと、その時は軽く考えていたんだ。
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作者名:りゅーす | 作成日時:2017年3月17日 21時