15話 ページ16
緑間くんに思いっきり腕を引っ張られ
腰を抱き寄せられる。
その反動で緑間くんに倒れ込んだ。
近くで何かが落ちた音がして、振り返ると、落ちていたのは、国語辞典で。
顔から血の気が引いていくのが自分でも分かった。
「…A、今すぐ赤司くんのところに行こう?」
さつきが私の顔を覗き込んでくる。
流石にこれ以上、私の我儘で友達に心配はかけられないな。
私は緑間くんに礼を言って立ち上がった。
私は三組の教室を出ながら時計を見た。
時刻は午前十 一 時過ぎ。この時間なら赤司くんは一組で接客しているはずだ。
はあ…、行きたくない…
私の心の声が漏れたのか、さつきが私の背中をばしばしと、叩いてきた。
「ほら!A!しゃきっとする!」
「う〜、痛いよ」
そうこうしている内に、我らが一組に着いてしまった。
「じゃあね!ちゃんと、赤司くんに相談するんだよ!」
「え⁉さつき、付いてきてくれないの⁉」
思わず、さつきの顔を見る。
「だって、わたしが居たら、A、赤司くんと話さないでしょ!」
「ソンナコトナイヨー」
「棒読みだし」
「えええええー」
私がさつきに縋りつくと、べりっと剥がされた。
「やだやだやだあ!」
「駄々を捏ねない!」
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作者名:りゅーす | 作成日時:2017年3月17日 21時