千の仮面【鬼滅の刃×探偵チームKZ事件ノート】

仮面2 ページ5

昨日の任務で鬼に引っ掻かれた傷。

しっかり手当もしてもらったし、一般人に匂いがわかるほどの大量の出血もしてない。




それなのに、どうして？




翼「俺、鼻がいいから。大抵の匂いはわかるよ。」





心を見透かされたように言われ、冷や汗をかいた。


どうしよう、バレる！


でも、炭治郎みたいに、人の心の中まで分かるような嗅覚の持ち主ではなさそう。





それでも、鬼殺隊は今世でも政府公認じゃないから、バレでもしたら大変なことになる。


とりあえず、誤魔化さなきゃ。




『血の匂い〜？何それ？』




ふざけた感じで言えば、誤魔化せるはず。



はず、だったのに。





翼「…どこか、怪我してるの？」





ごまかせないっ！


なんで！大抵の人はこれで誤魔化せてきた。



なんでこの人は！




『んもー、授業始まるよ。1時限目終わったら話すから。教室では話したくないから、別の場所でね！』




こうなったら、1時限目が終わる前までに、口実を考えなきゃ。




思い浮かんだのは3つ。



・転んで擦りむいた。
・不良に絡まれた。
・生理だから。






この中で1番リスクが高いのは2番目だろう。






話していた感じからすれば、美門はかなり勘がいい。


"見えるところには傷無さそうだけど、どこから出血してるの？大丈夫？"



とか何とか突っ込まれれば終わりだ。









1番目もあまり良くないか。


まず、見えないところを転んで擦りむいたなんて不自然だからな。






となると、1番安全なのは最後か。


"生理だから。"


と言っておけば、これ以上は踏み込まれないだろう。




…任務で怪我することが、こんなに厄介事になるとは。
それも軽傷なのに。



そんなことを考えている間に、1時限目は終わった。





美門を廊下の人が少ない所まで引っ張り、美門の耳をかり、囁いた。



『今日生理だから。』



恥ずかしそうなフリをしてそう言えば、美門は申し訳なさそうな顔をし、



翼「ごめん、深追いしすぎた。」



と謝ってきた。




別に悪いのは私だけど。それを言ったらまた面倒事になりそうだから言わなかった。





『もう、ほんとに恥ずかしかったんだからね！』

翼「ほんとにごめんって。」







第1関門突破、かな？





やっぱり仮面は便利だね。





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