千の仮面【鬼滅の刃×探偵チームKZ事件ノート】

いい子 ページ15

彩side


彩「千堂さんは、何か好きなこととか、あるの？」



私は、いろいろ聞く前にまず距離を詰めなきゃと思って、話を切り出してみた。



『そう聞かれるとよくわかんないけど、読書は、好きかも。』

彩「あ、千堂さんも!?私も読書好きなんだ〜!」

『立花さん、国語の成績良いもんね。やっぱり文章好きなんだ。』



そんなぁ…千堂さんの方がすごいよ。私は国語はできるけど数学はホントに…。
ってあぁ、いけない。今は調査中だった。

でも…



彩「でも千堂さんの方がすごいよ。定期テストだって、毎回絶対に学年3位以内に入ってるもん！教えて欲しいくらいだよぉ…。」



そう言うと、千堂さんはクスッと笑った。何か変なこと言ったかな…。



『ありがとう。でも、立花さんも充分すごいから、自信もって！あんなに努力できる人、そういないよ。』



私はちょっと泣きそうになってしまった。
kzのみんなはホントに才能マンばっかりで、そんな人たちがどんどん努力して、何故かいつも置いていかれてる気がしてた。

真正面から努力を認められて、ホントに嬉しかったんだ。




『良かったら、勉強手伝うよ？立花さん、数学苦手でしょ。』

彩「え!?なんでそれを…。」




なんで知られてるのぉ…。
また千堂さんはクスッと笑う。



『だって立花さん、国語と社会は上位にいるし、理科は50位には入ってるでしょ？なのに数学だけ50位以上に名前ないもの。
努力してる人には、報われて欲しいな。』

彩「千堂さん…ありがとう！是非お願いしたい！」




こんないい子の千堂さんが、何か変なこと隠してるわけない！

でも私はこの時、気づけなかったんだ。






千堂さんの、仮面に。

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