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「ん?颯天んち、行かねぇの?」

「だってまだ会ったばかりだし、第一家の場所知らないでしょ?」

まだそこまで親しくない自分達が「家に行く」なんて、少ししつこいとかお節介だとか思われそうでなかなか行動に移そうとは思えなかった。
だが、

「あ、ほんとだ。家知らねぇや。
つっちーせんせーい!!」

宿名はそんな事気にするようすもない。剣道部の顧問であり、今まさに監督をしている担任の土田を大声で呼びながら走っていく。

「せんせーい!颯天の家ってどこですか?」

「もしかして、プリント届けてくれる感じ?」

土田は期待に目を輝かせている。颯天の家は誰の家からも少し離れていて、頼まれてくれる人が居なかったのだ。
いや、本当は「家が離れている」ことが理由で断った者は居なかった。同クラスには親切な者だらけだし、他クラスの者は颯天に大きな興味を持っていたからだ。しかし場所を告げると皆一概に苦笑いをして去っていく。
それもそうだ。「真選組屯所」なんて行くには勇気がいるものだ。決してやましいことなど無くても。
それに、皆どう言葉をかけて良いのか分からなかった。真選組局長の近藤は江戸に広く知られている人物であり、生徒たちは名字から颯天が彼の娘に当たるのだろうとは察した。同時に二人が血族ではないことも理解した。顔が似ていることもなく、近藤の年齢から14の子供がいることも考えにくい。両親がいて、当然のように生きている者はそれにどう接して良いのか分からなかった。

「もちろん!プリントも届けますよ!」

「宿名なら行けそうだな」

土田は宿名を見て一人納得すると「心して受けとれよ」と忠告してから、剣道場の隅に置かれた鞄から颯天の書類のコピーを取り出した。勿論住所のみしか印刷してない。

「えーっと、真選組・・・屯所・・・」

宿名もその文字を指でなぞって一瞬顔を硬直させた。しかし宿名はやっぱり宿名である。
ビシッと敬礼を決めると

「行ってくるであります!」

と残し、早くも走り出していった。片手に握っている紙は素早く振られる腕に振り回され、宿名が一歩進む度にぐしゃぐしゃと盛大に音がするのだが、そんな事気にも止めないほど彼は踊るように走っていった。


*******************

中途半端で大変申し訳ありません!
お話がいっぱいになってしまいましたので続編に移行させていただきます!

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沖田ファン - プロフィールの高杉晋助の漢字が違いますので、訂正お願いします。 (2019年3月2日 15時) (レス) id: a06ab380f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜 椿 | 作成日時:2018年4月8日 9時

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