俺の…… ページ12
2人きりの部屋。
Aの腕を掴んだまま、動きが止まる。
何をどう話せばいい……
「レオナ様……」
か細い声が俺の名前を呼ぶ。
手のひらから伝わる震えと、嗚咽が耳に届く。
身体が勝手に抱きすくめていた。
Aの嗚咽が落ち着くと、そっと胸を押された。
じっとAの顔を見つめていると、こいつの口からふざけた言葉が飛び出してきた。
「私は、まだレオナ様の婚約者でいていいのですか？」
「は？」
ふざけんな。お前以外いらねぇんだよ。
「その…ユウ、でしたっけ？」
悲しげに揺れる瞳に引き込まれる。
「随分と親しげでいらしたので……」
その後の言葉は言わせない。
「俺の隣にはお前がいればいいんだよ」
王宮で、俺の婚約者だからと悪し様に言われていることは知っていた。
あの息苦しい場所にいたくないと、俺が逃げたツケがお前にも回ってきていたと…認めることが怖かった。
まず、お前の父親を粛清したのは俺だぞ？
憎まれると思っていた。
それなのに、今でも俺を想って涙を流すのか？
俺の隣に置いておきたい。共にいたい。
それは許されない。憎まれて当然。
引き留めていたい気持ち
と
突き放したい気持ち
ぐるぐる思考が巡る。
チェスとは全く違う。
最高の一手など無い。
総ては自分の中。
「A、愛してる」
.
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まいにゃん(プロフ) - Aの化身さん» コメントありがとうございます！ (2020年8月18日 21時) (
レス) id: cdb448599a (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - これは伸びる……。レオナってきっと大切な物ほど手元に置いておきたいイメージがあるから、こうやって女性へ想いを馳せる彼は何より王族らしくて格好良いなと思いました。凄く面白かったです。 (2020年8月18日 21時) (レス) id: b8de8932f8 (このIDを非表示/違反報告)
まいにゃん(プロフ) - ぱりすめんさん» コメントありがとうございます！ (2020年8月9日 6時) (レス) id: cdb448599a (このIDを非表示/違反報告)
ぱりすめん(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します！勢いで読み進めてしまいましたがまず、チェカくんの設定が性癖に刺さりまくりました、ありがとうございます。とっても面白かったです、これからも素晴らしい作品を作ることを応援しています。 (2020年8月9日 0時) (レス) id: be542bd55e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：1204Sixh | 作成日時：2020年7月31日 15時
