2人が出張で帰れない日の話�� ページ10
·
「…Aさんは魔法使いですね。
私は何度もあなたに救われましたよ。」
マスターも穏やかに微笑み返した。
するとベルの音と共にドアが開いた。
「疲れたぁー…」
「蓮くん、お疲れさま。ここ座って??」
Aはスッと立ち上がると蓮を促し
カウンターからおしぼりとグラスと
炭酸水を持ってきた。
「…はぁ。1週間ぶりのAちゃん癒やされる。」
蓮はふにゃっと笑って隣で
ハイボールを作るAを見つめた。
「はい、どうぞ。」
「ありがとー。」
3人でグラスを合わせた。
「蘭さんと竜胆さん揃っていないと
古株がちょっとだけイジワルしてくるんだー。
ボコしてやろううかと思った。」
「我慢したんだ??偉いね。」
「すっかり大人の仲間入りしましたね。」
「何ここ天国??2人とも優しくて大好きー!!
蘭さんたちに自慢しよ!!」
蓮は嬉しそうに笑うとスマホを取り出し
蘭に電話を掛けた。
「…あれ、出ないや。」
竜胆にも掛ける。
『…どうした??何かトラブルでもあったか??』
竜胆は電話に出たものの、蓮は電話口の
騒がしさに一瞬にしてミスったと思った。
隣に座るAを見やるとマスターと
話しながら笑っていて息を吐くと声を落とした。
「さっきやっと終わったんですよー。
2人がいないとイジメられるんです。」
『誰にやられたんだよ??
帰ったら締めてやっからちゃんと教『竜胆くん、
誰と話してるのー??』っち、静かにしてろよ。』
「…ちなみに今どこにいるんですか…??」
『相手方の接待でキャバクラ来てて…』
蓮の耳元からスマホが抜き取られ
ハッと目を向けるとAが通話を
スピーカーにしてカウンターに置いた。
『兄ちゃんも一緒なんだけど…
あれ??兄貴どこ行ったんだ??』
『蘭さんならさっき女のコと下りてったよー』
『はぁっ??』
ガチャガチャと騒がしい音と女のコの声に
蓮は顔を青くした。
Aはスマホを見つめて微笑むと
少し伸ばした爪で3度ほど画面を叩いた。
『…つか、お前こそ今どこいんだよ??
何かコツコツ言ってるけど…』
「竜胆くん、楽しい??」
静かに口を開いたAの声が聞こえたのか
一瞬息を呑む気配がした。
『…Aっ!?』
「わたしにはもう他の男と遊ぶなって
言ったのに2人はいいんだねぇ??」
『いやっ、違ぇから!!ちゃんと聞いて…!!』
·
2人が出張で帰れない日の話��→←2人が出張で帰れない日の話��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むちょ - とってもとってもとっても素敵なお話でした！！一気に読んでしまいました('ω')3人で幸せでとっても良きでした！ (12月14日 17時) (
レス) @page2 id: a1b97b3e35 (このIDを非表示/違反報告)
YUMi(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます!!そう言って頂けると嬉しいです(◍•ᴗ•◍)わたしも書きながらニヤニヤしてます笑 (2023年2月20日 5時) (レス) id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです‼️ニヤニヤしながら読んじゃいました！ (2023年2月19日 1時) (レス) @page19 id: ac76470a3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：YUMi | 作成日時：2023年1月19日 17時
