一つ目、綺麗な刀 ページ3
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物心がついた時から少女の脳内は生きる事しかなかった。
死なぬように物取りをしたが、失敗をして殴られる事なんて当たり前だった。
刃物を持ちながら追いかけ回された時なんかは、何度も死を覚悟した。
それからは食べ物や着物だけではなく、身を守れる物も探すようになった。
ふと、茂みの中で身を
周りを見渡しても誰もいない。
好奇心に勝てず少女は拾った刀を
(・・・・・・きれい)
まじまじと見る機会が無かった為、他と比較出来ないが錆一つない刃を幼い少女は
刀を鞘に収め、再び周りを見るが持ち主がいない事を確認すると着物の帯に挟む。
しかし、身長と刀の長さは合わず地面スレスレで試しに歩くと
なんだか刀に申し訳なく思い、仕方なく腰から背中側の帯に差し込んだ。
(・・・これでよし)
満足した少女はいつもの生活に戻った。
と、思っていたが
ザーザーとバケツをひっくり返したような激しい雨の中、てるてる坊主を連想させるほどすっぽりと被った真っ白なフードに突き出た手足は筋肉質な男が
背が高いので少女は首が痛くなるほど上を向く。
雨が激しいのに真上を向いたので少女の目や口に雨は当たり、まともに目も口も開けられない。
てるてる男の口は動いているが雨の音で聞き取れない。
「・・・はっ」
起き上がって洞穴の出入口を見ると外は雨が降っていた。
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yui - いいお話ですね!頑張ってください! (2019年11月28日 0時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2018年11月4日 3時