十六つ目、十一番隊への入隊 ページ18
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それからAの入隊は流れる水のように順調に進んだ。少し前までは女隊士もいた十一番隊だが、最強の剣士である剣八が変わるごとに女隊士は避けるようになった。
そんな中Aは十一番隊の紅一点であった。
周りはなぜ“あの”十一番隊に入隊するのか不思議でたまらなかった。
顔は
しかしAは絶対に鬼巌城の傍から離れなかった。鬼巌城本人もAを気に入っているから、普段通りに過ごした。
大柄な鬼巌城に小柄なAはいつしか
隊士の階級を決める権利は隊長が持っている。その権利を利用し鬼巌城はAをすぐに副隊長へと任命した。
周りは「まだ早いのでないか」「まだ若いぞ」と言っていたが鬼巌城もAも気にする素振りは見せなかった。
Aは実に優秀な副隊長だった。何事も疑問に思ったりどうすればいいのか分からなければ恥を捨て、他の隊の副隊長に訊ねる。
一番隊の副隊長である
最強の剣士である称号の「剣八」に鬼巌城は浮かれていた。隊長であるのを利用し、昼寝や女遊びばかりしており、十一番隊を支えていたのはAであった。
それでもAの文句も愚痴も誰もが聞いた事が無かった。
休憩している時に平子に一度聞かれた事がある。「辛くはないのか?」と。
僅かに目を見開いたがすぐに目を細め、平子を真っ直ぐ見つめた。
「これがわたしの幸せです」
今度は平子が目を見開く。それから平子は引き受けられる物は出来る限り十一番隊から引き受けた。
それでも雑用を回復専門の四番隊に押し付ける十一番隊の隊士の姿を見た事がある。
それをAに言うとお礼を言われ、後日四番隊隊長である
そんな幸せは何の予兆も無く消えた。
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yui - いいお話ですね!頑張ってください! (2019年11月28日 0時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2018年11月4日 3時