四つ目、大男との出会い ページ6
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さっき殺した男たちと同じく足袋に草履を履いた大きい足が見える。仲間が来たのだと知り、遂に死ぬのだと察した。
(楽しかったのかな、どうだったのだろう)
覚悟を決めて目を閉じるとどさりと重い物が落ちた音がした。
「食え、ガキ」
うつ
少女が食べるには半分でお腹がいっぱいになりそうなほど大きかったが気にせず、一つのおにぎりを手に取る。
どかりと近くに座った大男は笹皮の包みに残されたおにぎりを手に取った。
「お前、強えな、名前は」
喋りながらおにぎりを頬張るが、行儀が悪いと怒る者はいない。少女は手に取ったおにぎりを両手に持ったまま答える。
「・・・ない」
少女の両手では収まりきらないおにぎりをぺろりと平らげた大男は竹で出来た水筒の水をがぶがぶと飲んだ。
「親はいねェのか」
「覚えてない」
敬語なんて知らない少女に大男は気にせず質問をする。残り一個のおにぎりを食べ始めたので、少女もおにぎりを口にする。
「!」
初めて口にしたおにぎりに感動した少女は口いっぱいにおにぎりを頬張り始めた。
その姿を大男は確認してから再び少女に質問をした。
「ガキ、おめェの刀どこで手に入れた」
口いっぱいにつまっていたおにぎりをゴクンと飲み込み、落ちている
「草むらに落ちてた、持ち主が見つからないからわたしが持ってた」
手についていた米粒を舐めた後に、落ちていた斬魄刀を拾い、鞘に収めると大男に渡す。が、大男は受け取らず立ち上がった。
「おめェのモンだろ、持っとけ」
なぜ少女の物になるのか不思議だったが何も言わず斬魄刀を定位置に戻す。
「気に入った、ガキ、死神になれ」
死神とはなんだ?と思ったのが伝わったのか大男はぼりぼりと身体を掻いてから、ある方向を指さした。
「あっちに行きゃ、分かる」
満足したのか大男は歩き出した。
「あの!」
大男の背中に向かって少女は大声で声を掛ける。
「このお礼はいつか必ず!」
大男は返事はしなかったが、片手を上げて消えた。
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yui - いいお話ですね!頑張ってください! (2019年11月28日 0時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2018年11月4日 3時