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四十一粒目の雨 ページ44




涅マユリが鬼巌城(きがんじょう)Aを気に入っているのは誰もが知っている。

他の者と話すよりも挑発的な発言は控え、簡潔な言葉で指示を出す。他の者ならどういう目的なのか、なぜしなければならないのか疑問を口にするだろう。

それをせずにAは指示通りに行動する。そして涅の満足する結果となるので気に入られてるのだ。機械類が苦手でも局員が採取をしに流魂街に出た時に虚に襲われないように用心棒をしたりする。



そして何より涅の興味を惹かれたのは戦闘法である。戦いを楽しんだり、強敵に勝つ為に様々な戦闘法を頭に叩き込み敵に試す度胸に心惹かれたのだ。

失敗すれば運が良ければ大怪我をし、運が悪ければ死。死ぬ可能性があるのに試すなんて、成功する自信があるのかただの馬鹿だ。
気になった涅はまだAが副隊長の時に訊いたのだ。



『君は何故(なぜ)死ぬ可能性があるのに試すのかネ』


涅の質問にAは目を爛々(らんらん)とさせ、答えたのだ。


『逆になぜ試さないのですか。死ぬ可能性があるから試さないなんて、愚か者としか言えません。

どうせ死ぬなら最後まで足掻くのがわたしの流儀です』




その言葉に涅は納得した。確かに試さないなんて愚か者がする事だ。

その時から興味を惹かれたのかもしれない。


十代目剣八であった五助が殺害されたと聞き、これは十二番隊に引き入れるチャンスだと思ったのだ。









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涅に追い出されなかった事に上機嫌になり軽い足取りで局内を歩く。A専用のピンレスボードを見ると二、三日確認しなかっただけでびっしりと依頼の紙が貼られていた。

ひとつひとつ紙を取り外しながら確認する。内容は馬鹿馬鹿しい事から重要な事まである。



依頼の紙に期限が無いものは後ろに、期限があるものは日付が近いのを前にする。




「あれ」


取ろうとした紙の依頼者の欄に「涅ネム」と記載されていた。ネムとは涅マユリの娘と呼ぼれる被造魂魄(こんぱく)である。

珍しく依頼をしたネムを不思議に思いながら確認すると顔が緩むのを感じた。

四十二粒目の雨→←斬魄刀の独白



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設定タグ:BLEACH , 尸魂界篇 , 阿近   
作品ジャンル:アニメ
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水無月(プロフ) - 凪さん» ありがとうございます!少し弱気になっていましたが周りのおかげで立ち直る彼女を書く事が出来て良かったです。続編もぜひ楽しんでください!! (2019年3月18日 21時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
- 「漫ろ雨には傘を」完結お疲れ様です!後半では元気になった夢主を見ることができて楽しかったです。続編も頑張ってください! (2019年3月18日 20時) (レス) id: bdcdacdab6 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 凪さん» ありがとうございます!お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも頑張りますので楽しんでください!! (2019年2月5日 16時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
- 更新お疲れ様です!ずっと楽しみにしてたので本当に嬉しいです。これからも頑張ってください (2019年2月4日 14時) (レス) id: bdcdacdab6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水無月 | 作成日時:2018年12月8日 5時

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