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三十一粒目の雨 ページ33




「是非、君の斬魄刀の能力を知りたいな」


「・・・まずは自分からじゃないの?」


「・・・・・・そうだな。『鏡花水月』の能力は『完全催眠』とだけ言えば、君なら理解出来るはずだ」


「・・・・・・・・・。・・・ひとつだけ、確認させて。無から有を創る事は可能?」



Aの質問に藍染は緩く微笑む。



「いいや、あくまで“誤認”させるだけだ。それじゃあ、君の斬魄刀の能力の番だ」



藍染の言葉に答えるように鞘から斬魄刀を抜くと刃は無く、鞘からはだばだばと水が流れている。



「『雨鬼垂水』の鞘から流れるこれはわたしの霊力で作られた水が垂れ流れてる。
刃が無いから簡単に抜刀出来るし、鞘から流れる水がついてくるから始解前より斬れる距離が伸びてる」


「今まで使っていた『雨鬼』は?」


「『雨鬼』は『雨鬼垂水』の半分の名前だから能力も半分。ただ、斬魄刀の長さが変わるだけ」



互いの斬魄刀の能力を話すが、お互い弱点は教えない。



「なるほど、だからこの水に君の霊圧を感じるのか」


「ここで能力の探り合いは中断しよう。

・・・ところでそこで隠れてるのは吉良(きら)副隊長じゃないですか」




隠れている霊圧が震えたのを感じる。三番隊副隊長の吉良イヅルは出ようか出まいか迷っているのだろう、なかなか出てこない。しびれを切らし近付こうと藍染に背中を向けたのがいけなかった。



「彼の姿なら君の動きが鈍るかと思ったのだが・・・・・・案外冷酷だな」



瞬歩でAの後ろに現れた藍染に反応が遅れ、背中を斬られてしまう。



「・・・っ!!」


「やはり君はやりにくい。深く斬ったつもりだったが浅いな」


「深く斬るならもっと踏みこなきゃ。そうやって余裕ぶって立ち止まるから浅くなる」


「そうか、次からはそうしよう」



このまま戦ってもいいが本来の目的は違和感の正体を見る事だ。このまま相手をするなら必ず市丸が参戦するのは目に見えている。
最悪吉良も市丸の指示で参戦するかもしれない。正直吉良なら一撃で殺せるが、藍染ではなく市丸に手を貸しているのだろう。殺すか殺さないかは彼の様子を見てから判断しよう。

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設定タグ:BLEACH , 尸魂界篇 , 阿近   
作品ジャンル:アニメ
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水無月(プロフ) - 凪さん» ありがとうございます!少し弱気になっていましたが周りのおかげで立ち直る彼女を書く事が出来て良かったです。続編もぜひ楽しんでください!! (2019年3月18日 21時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
- 「漫ろ雨には傘を」完結お疲れ様です!後半では元気になった夢主を見ることができて楽しかったです。続編も頑張ってください! (2019年3月18日 20時) (レス) id: bdcdacdab6 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 凪さん» ありがとうございます!お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも頑張りますので楽しんでください!! (2019年2月5日 16時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
- 更新お疲れ様です!ずっと楽しみにしてたので本当に嬉しいです。これからも頑張ってください (2019年2月4日 14時) (レス) id: bdcdacdab6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水無月 | 作成日時:2018年12月8日 5時

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