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二十七粒目の雨 ページ29




阿散井の斬魄刀は白哉の心臓辺りを刺したが、白哉の身体を貫く前に折れてしまった。折れた刃は地面を突き刺し、残った刃は砕けてしまった。

それに続き、阿散井の背中から血が溢れ出る。



刃が無くなっても阿散井は諦めずに白哉に向かう。(つば)が白哉の身体に触れて砕けても、柄が砕けてもそれでも阿散井は突き進んだ。

誰もが憧れる───鬼巌城(きがんじょう)Aのように勝ち目がなくても立ち向かい、勝利を掴む彼女のようになりたかった。



「・・・ちくしょう・・・」


その言葉を最後に阿散井は倒れた。







『彼女にはもう余り近付かない方が良い。それが君の為であり、彼女の為でもあるんだ。

彼女だって解っている筈だよ。彼女はもう僕らとは違うんだってことを』


生真面目な同期の男が言う。




『へぇ、そいつァ大層な目標だな。朽木白哉より強く・・・か』


己の隊長を尊敬している男が言う。




『難儀な話さ。厭になるだろう?いつだって描くより破ることの方が容易くて、解くより結ぶことの方がずっと難しいのさ』


己の隊長を尊敬している男の相棒が言う。




『死んでしまったら何も出来ないし、してくれない。そう考えると生きている限り、何でも出来そうなんだ』


誰もが尊敬している女が言う。








あの時彼女がすり抜けてしまった左手を見つめると段々意識が遠退いていった。









暫く(とき)が経ち、更木は何も感じない中考えていた。




狛村と東仙が共闘しても致命的なダメージを与える事が出来ず、ただ体力を消耗するだけだ。これでは埒が明かないと判断し、東仙は卍解をする。

東仙の卍解は作り出した空間の中にいる者は霊圧知覚・視覚・聴覚・嗅覚を奪う。それを回避するには東仙の『清虫(すずむし)』を握るしかない。


本来ならどんな手練(てだれ)でも突然光を奪われればそこに微かな恐怖が生まれ、動きを半歩遅らせる。だが、それは最強の名を持つ男には関係無い話だった。見えず、聴こえず、匂いさえ分からないのに更木は恐怖を感じている素振りもなく、東仙へと迷い無く斬魄刀を振るう。

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設定タグ:BLEACH , 尸魂界篇 , 阿近   
作品ジャンル:アニメ
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水無月(プロフ) - 凪さん» ありがとうございます!少し弱気になっていましたが周りのおかげで立ち直る彼女を書く事が出来て良かったです。続編もぜひ楽しんでください!! (2019年3月18日 21時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
- 「漫ろ雨には傘を」完結お疲れ様です!後半では元気になった夢主を見ることができて楽しかったです。続編も頑張ってください! (2019年3月18日 20時) (レス) id: bdcdacdab6 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 凪さん» ありがとうございます!お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも頑張りますので楽しんでください!! (2019年2月5日 16時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
- 更新お疲れ様です!ずっと楽しみにしてたので本当に嬉しいです。これからも頑張ってください (2019年2月4日 14時) (レス) id: bdcdacdab6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水無月 | 作成日時:2018年12月8日 5時

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