二十三粒目の雨 ページ25
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あと少し、というところで阿散井は卍解が習得出来なかった。屈伏させようにもあと少しでするりと逃げられる。イラつきが積もり積もってとうとう阿散井は「クソッ」と地面に八つ当たりをした。
「はぁー、もう見てらんない」
夜一は一護を担当し、Aは阿散井を見ていたがしびれを切らしたAが阿散井の前に出る。
「卍解すると他の人にばれちゃうから始解で我慢してもらうけど“こっちの始解”は極小数しか知らないし、阿散井副隊長に足りないのが分かるかもしれない」
「どう?やる?」と訊くような眼差しで見つめられ、ポロリと出た真実に阿散井は驚いた。
「“こっちの始解”って・・・!どういうことっスか・・・!」
「どうもこうもないよ、「雨鬼」って名前は本当だけどこれは幼い頃・・・まだわたしの身体が不完全だから雨鬼が半分だけ教えてくれたのを今も使っているだけの話さ」
柄を優しく撫で、阿散井の返事を待つAに冷や汗を浮かべる。あまり戦いを得意としない平隊員や新人なら周りは始解も知らないだろうが、目の前にいるのは誰もが憧れる
殆ど居合術で仕留めているが一度だけ阿散井も始解を見た事はある。運悪く隊長格がいない時に大きな虚が現れた。周りが逃げる中阿散井だけは逃げなかったが当時は力不足であった。
もう駄目かと覚悟を決めた時に凛とした声が耳に入った。
『────
大きい虚は綺麗に真っ二つになり、消滅した。今も鮮明に覚えているがまさかあれが半分の力だったとは。
「・・・・・・それで、極小数しかしらない始解をしてどうするんスか」
「わたしが阿散井副隊長に全力の一撃を振るからそれを躱すなり、受け止めるなり阿散井副隊長の覚悟を斬魄刀に証明しな」
「!!・・・・・・全力でお願いします!!!」
バッと頭を下げた阿散井に苦笑しながらAは柄を握る。
「これでも十一番隊にいたからね。悪いけど容赦はしないよ」
Aの霊圧が上がるのを阿散井はピリピリと感じ、冷や汗を流す。
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水無月(プロフ) - 凪さん» ありがとうございます!少し弱気になっていましたが周りのおかげで立ち直る彼女を書く事が出来て良かったです。続編もぜひ楽しんでください!! (2019年3月18日 21時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 「漫ろ雨には傘を」完結お疲れ様です!後半では元気になった夢主を見ることができて楽しかったです。続編も頑張ってください! (2019年3月18日 20時) (レス) id: bdcdacdab6 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 凪さん» ありがとうございます!お待たせしてしまい申し訳ないです。これからも頑張りますので楽しんでください!! (2019年2月5日 16時) (レス) id: d9fcb2d7ae (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 更新お疲れ様です!ずっと楽しみにしてたので本当に嬉しいです。これからも頑張ってください (2019年2月4日 14時) (レス) id: bdcdacdab6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2018年12月8日 5時