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第六夜 ページ9
くちゃり、と
主のいない”ソレ”は這っていく
声にならない声と、泣き声のようなそれを伴って
・・・
・・・
……
だが、
傷つけられたからと言って大した反抗はできない
それでも、”塵も積もれば山となる”という言葉があるように
”それ”は着実に”呪い”を溜め込んで
いずれ審神者の首を絞めるだろう
だがそれでは、俺が遣わされた意味がない
迅速かつスピーディーに……
じゃなかった
スピーディーかつセーフティーに
彼らの”願い”を叶えなければ
・
様々なところから感じる”それ”の気配を感じながら、本丸内を練り歩く
ちなみに鳴狐と五虎退は粟田口派の刀剣が集まる部屋……通称粟田口部屋に行ったのでここには居ない
ぶっちゃけ、一人の方が動きやすいからこちらの方がありがたいんだが。
織「……ん」
怪しいものがあっても、今はスルーだ
”それ”を調べるのは潰してからでも遅くないんだから
だが、証拠というものも必要だ
神は常に善であるため、それは必要ないように思えるが……
まぁ、保障かな
我らが主は、元が人間であったためか、思考が若干人間寄りだ
眷属にもそれは影響してくるので……俺もちょっとはそうだと言えるんだろう
それが無くても、半分は人間の血が流れてるから…
……
…そこは関係ないのかな
人間だった母親の顔も知らないし
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作者名：梅 | 作成日時：2020年7月5日 16時
