第四夜 ページ7
神は、ヒトの願いから生まれる
その点では、妖とさして変わらないが……
違うのは……”どれだけ信仰を集め、
そして、妖と大きく違うのは……
”
毎日のように拝まれる願い
それらはそこまででもないが……
「……ん」
ケチケチして手伝い札を使わせようとしない審神者に言われて、鍛刀場で待つこと数十分
仕上がったのか、渡された刀を見た鳴狐は言葉を失った
まあもともと無口な方ではあったが……
”やってしまった”とでも言いたげな目
ここがブラック本丸だと知っているから、新たな刀……特に身内には来てほしくないんだ
実の弟ではないにしても……長兄がいない中、不器用ながらも長兄のように振舞って
不本意ながらもたくさんの弟を失って
壊れかけた心を必死に縫い合わせて、もうこれ以上失わないように嘘を吐いて
知ってるよ
俺も”兄”だから
震える鳴狐を抱き寄せ、頭を撫でる
「大丈夫だよ
俺たちが助けてあげるからね」
・・・
抱き寄せられた時は、何事かと思った
こちらに伸ばされた手で、叩かれるのかと思った
けど、目をつぶった先に待っていたのはそれではなかった
撫でられた頭と、優しい言葉と、僕の選択は間違っていなかったと
「……ありがとう」
もう流すまいとしていたものが流れたのは、気にしないことにした
友が話してくれていた、優越感にまだ浸っていたかったから
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作者名:梅 | 作成日時:2020年7月5日 16時