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第二夜 ページ5

その本丸の審神者は、随分と隠すのが上手いらしい






初めにそれが発覚したのは、その本丸に研修に行った見習いが帰って来た時だった

ぱっと見たところ特に変わりはなかったが、
研修にしては多すぎるほどの霊力が消費されていたことが、疑念の種を生んだ


すぐさま政府はその本丸に調査員を送ったが、異常はなし
その後も定期的に送られてくるこんのすけの通信にも異常はなく……


彼らはそれを杞憂だとして、放置していた………









「で、その結果がこれ?」

《はい……
誠に申し訳ありません》








青系の袴に同系色の羽織を羽織った青年は、木製の背の高い門を前に、足元の狐に問うた

今までの説明を聞き流しているとばかり思っていた狐は、わずかに肩を震わせ…
申し訳なさそうに肩を落とす



放置されていた本丸は、見た目は他と大して変わらないが…
本能的に感じる黒いモノ
そして、神の系譜(けいふ)だからこそ聞こえる数多(あまた)の悲鳴………








「こんのすけが悪いわけじゃないよ」








基本、こんのすけは一人につき一体

政府の式神である彼らは、政府に名と命を縛られている以上…政府に従うしかない


力のある者ならば抗うことも出来ようが…
ただの管狐でしかない存在が、そんなことをできるとは思えない




……そう、彼らはただの式神

よほど高度な術者じゃなければ…術者が生み出した命じゃなければ…
元になった動物の思い入れが強くなければ…
彼らの心を完全に支配することなど出来はしない


だから、彼らを責めることは出来ない

たとえ、我らが主に(そむ)(やから)の式神としても
主を裏切りたくなければ………






と、まあそれは置いといて

青年__織は目の前の門を押し開けた

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作者名: | 作成日時:2020年7月5日 16時

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