♯43〜彼ら尽くす理由〜 ページ46
夏合宿は長期間ということもあって、いくつもの曲を撮った。全員のものや2,3人で撮ったもの。Aが歌ったもの、原曲のもの、歌い手さんのが歌ったもの。それでも、九瓏のセンスの良さが出ているのか、それぞれの曲のアルスの雰囲気にそれぞれの歌が合っていた。
「……バテバテだな。」
私の目線の先には、冷たさを求めて床や壁に張りついて、ぐったりと休憩する男衆の姿があった。
「だっ、夏休み毎日踊り通しだぞ！？」
仰向けになって四肢を投げ出して休んでいた神生が、起き上がってそう言った。顔には疲労の色が強く出ていた。
「先生もうダメだァ。何回やってもミスする予感しかないー。」
パイプ椅子の背もたれを前にして座っていた九瓏は、顔を背もたれの淵に乗せてそう言った。その隣の床に体育座りしていた榊原は、うぅ。と声を漏らすことしか出来なかった。
元気印の朴も、床に大の字でうつ伏せになって一言も発さない。あの泉でさえも、壁にもたれて床に座り込んでいる。
「……そうだな。今日はこれで終わりにしよう。この後は好きに時間を過ごしていいぞ。」
そう言うと、彼らは目を見開いて見てきた。私は笑みを浮かべるだけで、彼らの頭上の『？』が消えることはなかった。
＿＿＿＿＿
キッチンに立った私は、それぞれゆっくり過ごす彼らを頭に思い浮かべながら手を動かした。
甘い物。神生も食べれる、甘さ控えめでも疲労回復になるスイーツ。
彼らのことを考えると、自然とサクサクと手が進んだ。体が動いた。
「ふんふん♪」
今先ほどまで練習していた曲が口から流れ出していた。
ここは朴がセンターだよな。ここで泉が前に来るんだよな。
一曲終わると次の曲になる。もう投稿が終わった曲や、夏休み前に投稿した曲も口から流れ出す。
「……私、アルスが好きなんだな。」
勝手に口から出ていったその独り言は、私の耳に戻ってきた。
突然感じたその感情。改めて思った。私も休んでていいオフの時間。むしろゆっくりして筋肉を休ませてあげたり、課題をしたりと、お菓子作りよりもやれる事は沢山あった。それでもそれをやっているということは、彼らが好きなんだと感じた。
初めての仲間。
「そっか。そうだもんな。」
その言葉や想いが、魔法のようにスイーツを作る手を進めていった。
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タツキの制服
ラッキーキャラクター
オセロ
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NIL(プロフ) - シュークリームさん» ありがとうございます！主人公を好きになって貰えるのは、生みの親としてはとても嬉しいです！更新ペースが遅いので、気長に待っていただけると幸いです(*^^*) (2017年3月1日 7時) (
レス) id: 3e4ae99fc9 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム(プロフ) - 主人公のキャラ大好きです！！これからも更新していただけると嬉しいです！頑張ってください！！ (2017年2月28日 21時) (レス) id: 21931b3c8c (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - のん民さん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2016年12月25日 15時) (レス) id: 3e4ae99fc9 (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - とてつもなく面白いです！！あ、NILさんボードに書き込んでくれましたよね？ありがとうございました！これからも更新ガンバ♪PSボードの書き込みに返信しました。そちらのチェックもよろしくです！ (2016年12月25日 14時) (レス) id: cec51bb663 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです！これからも、作者作品共々、よろしくお願いします！ (2016年11月30日 19時) (レス) id: 3e4ae99fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NIL | 作成日時：2016年4月20日 18時
