2人の少年と、ガラル冒険譚。 (ページ5)

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｢ヒトモシ、かわして！｣
ホップくんと一旦別れてから意気揚々と野生のポケモンに勝負を挑んだものの……。今まで戦ってきたポケモンとは比にならないくらい、強い。ニンフィアもニャオニクスもボロボロで、ギリギリで残ったヒトモシもかなりダメージを受けている。キズぐすりで回復したとしても、次のターンで倒されて全滅してしまうだろう。どうしよう、どうしよう…！
｢ミブリム、行きなさい。ねんりきです。｣
｢おわっっ?!｣
声が聞こえるやいなや、後ろからポケモンの技が飛んできた。持ち前の瞬発力でサッとかわす。ねんりき…ということは、エスパータイプだろうか。
技をモロに食らった野生ポケモンは、たちまち逃げ出してしまった。
｢はあ……。この程度の敵も倒せないんですか、あなた。ほら、いつまでも座り込んでないで。｣
突如現れたピンチヒッターに動揺しつつ、差し伸べられた手をとる。
ふわふわしたくせっ毛が特徴的な男の子。背丈を見る限り、私と同い年くらいだろうか。
｢あ、あの…助けてくれてありがとうございます。｣
｢別にあなたを助けようと思ったわけじゃありませんから。偶然そこを通りかかっただけです。それでは。｣

…行ってしまった。せめて名前だけでも聞いておけばよかっただろうか。

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