ラプラスの天使【d!】 (ページ10)

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第10話ページ10

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「…まぁいい、俺達に会うまでの経緯を話してくれ」

一旦ドキドキする心臓を抑え、静かになった所で話始めた。お母さんが瀬戸際で言っていた事は、確信がなかったので言わなかった。

「え、お前それじゃあなんで親が殺されたか分かってないん？」

「うん」

「えぇ…それはショックやなぁ…」

「最低やなそいつら…！」

「クソやんそいつ！」

この場にいる全員が同情の眼差しで私を見た。私の親を殺した人達を嫌悪し、罵倒してくれた。私はそれがすごく嬉しくて、今にも泣きそうだった。

「……辛かったな…」

………。

「ぅえっ！な、泣いとる…！…なんでっ！？」

……ついに泣いてしまったらしい…。
グルッペンくんがそんな事言うから…！

「今まで人殺しの奴等から逃げてきたんやろ？そんで今やっと親を失った感覚が戻ってきたんとちゃう？なぁ？」

「そう…かもね……」

ありがとね、聞いてくれて、と腕で顔を覆いながらお礼を言う。それと同時に皆は何故親と離れてここに居るんだろう、とひとつ疑問が浮かぶ。

「私の事はもう話したし、皆はどうなの？どうしてここにいるの？」

一人ひとり顔を見ると、皆ぷいっと目を逸らしてしまった。何故？そんな言いにくいのかな？

「あ〜〜俺らは…まぁ……俺とトントン以外は全員孤児なんや」

「えっ！ご、ごめん！」

なんか、さっき楽しく家族3人で晩ご飯食べてたら知らない人が来て…って話しちゃった…！地雷だったかな！？嫌われた！？

「いや全然大丈夫やで俺らは！ずっと昔のことやし！」

「そそ！今が楽しかったらそれでええ！」

「良い子達…」

「煩いわっ…！」

こんなに良い子達なのに…

その後彼らの話は特にせず、皆私の家族の話を聞きたがった。その姿勢がなんだか哀しくて少し同情してしまった。話しているうちに思ったが、もしかしたら私の家族はすごい仲が良かったのかもしれない。

思い出を語りながら考える。

もし、私の家族が生きていたのなら、家族にみんなを会わせてあげたい、と。

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