第2話 ページ3
男の子達は窓に近寄ってくると、にっこり笑いながら私を見つめてる。
その目はまるで、窓を開けろと言ってるみたい。
ママが帰ってこない時間なのを確認して窓を開けると、3人のうちの1人が私に話しかけてきた。
「なぁ、お前いつもここにいるよな？ なんで外で遊ばねーの？」
「こらジェイル、初対面の人をお前なんて呼ぶな。失礼だぞ」
礼儀正しい男の子が活発な男の子を叱った。
礼儀正しい男の子は私に向き直ると、ペコリと頭を下げながら言う。
「すみません、失礼なことを…確か、勇者一族のAさんですよね？ 僕はフーザ・ディアスです。さっきの奴はジェイル・ボガザ、この人見知りな奴はアルワンダ・セキビといいます。よろしくお願いします」
私もつられて頭を下げ、自己紹介をした。
一体何の用だろう…それに、なぜ私を勇者の子孫だと知ってるの？
もしかしたらこの子達は勇者一族の3人かもしれない。
そんなことを考えていると、ジェイルが私に話しかけてきた。
「なぁ、一緒に遊ぼうぜ！ 3人だと奇数で遊びづれーんだよ」
「で、でも私、外で遊んだらママに…」
「叱られるってか？ そんなの気にすんなよ！ 俺も一緒に怒られてやる」
ジェイルに真っ直ぐ見つめられると、なんだか断る気になれなかった。
フーザとアルワンダも私を見つめている。
「…私も遊びたい」
そう言うと、3人の顔がパッと明るくなった。
すると、今まで黙っていたアルワンダが嬉しそうに言う。
「じゃあ、一緒に遊ぼ！ ボク、ずっと楽しみにしてたんだ！」
「アルワンダはずっと君と遊びたがっていたんだよ。アルワンダ、よかったじゃないか」
フーザがアルワンダに言うと、アルワンダは顔を赤くしてもじもじとしながら俯いてしまった。
それを見たジェイルが私に言う。
「実はな、Aを誘おうって言い出したのはアルワンダなんだぜ。おいアルワンダ、お前にしちゃ珍しいな？」
ジェイルが肘でこずきながら「Aのこと好きなのか〜？」とからかう。
アルワンダの顔がますます赤くなった。
私はクスクスと笑う。
こんな楽しい会話をしたのは初めてだった。
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猩々(プロフ) - パトさん» そのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。この作品を読んでくださりありがとうございました。 (2021年3月19日 19時) (
レス) id: f5012a712b (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。終盤の段々狂っていく感じが凄くゾクゾクしました。読み終わってから設定キーワードを見て「こんなところにもメッセージが……」と感動しました。長文、駄文失礼しました。 (2021年3月17日 22時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猩々 | 作成日時：2020年11月6日 14時
