第3話 ページ4
それから、私達は外で遊ぶことになった。
遊んだことのない私にとってはとても新鮮で、とても楽しかった。
けれど、あんまり長くは遊べなかった。もしかしたら、ママの仕事が急に無くなって帰ってきちゃうかもしれない。
そんな事なかなか起こらないってわかってるけど、ママにバレたらと思うと怖かった。
それを3人に告げると、明日もまた一緒に遊ぼうと言ってくれた。
楽しい時間が終わっちゃうのは悲しいけど、また遊ぼうって言ってくれて嬉しかった。
疲れたからか、その日はいつもより早く寝付いた。
次の日、
「今日は洞窟探検だ!!」
きっかけは、ジェイルのその一言だ。
村の裏手にはモンスターがうじゃうじゃいる洞窟がある。その洞窟の奥には凶暴な巨大熊が出るという噂があって、人が近寄らない危険な場所だった。
そんな場所に私達子どもが入るわけにはいかない。
私は首を横に振る。
「ダメだよジェイル。巨大熊が出たらどうするの?」
「Aちゃんの言う通りだよ! 危ないし…こ、怖いし…」
アルワンダが私に続く。少し顔が青ざめているようだ。
それを見たフーザが安心させるかのように微笑む。
「大丈夫だよ。僕は回復魔法が使えるし、Aも魔法が使えるんだろう?」
「でも、実戦で使ったことないよ」
「いーや大丈夫だ。俺だって戦えるしな!」
ジェイルが持っていた木の剣を掲げながら言った。
ジェイルはともかく、フーザも賛成派なのは意外だった。
それに、フーザが回復魔法が使えるというのは初耳だ。
それなら大丈夫かもしれない…という考えが頭をよぎった。
それを皆に伝えると、ジェイルとフーザは嬉しそうに笑った。
アルワンダも、「それなら…」としぶしぶ了承した。
初めての探検に初めての実戦。ちゃんと戦えるかな。
モンスターへの恐怖よりもワクワクの方が大きかった。
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猩々(プロフ) - パトさん» そのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。この作品を読んでくださりありがとうございました。 (2021年3月19日 19時) (レス) id: f5012a712b (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。終盤の段々狂っていく感じが凄くゾクゾクしました。読み終わってから設定キーワードを見て「こんなところにもメッセージが……」と感動しました。長文、駄文失礼しました。 (2021年3月17日 22時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猩々 | 作成日時:2020年11月6日 14時