【ポケモンSM】君と出会えた喜び【ハウ】

島巡りのお誘い ページ10

ハウ君との会話を終えると、ハラさんが私たちを呼んだ。
「A、これを…」
ハラさんに渡されたのは腕輪のようなもの。真ん中にＺのような形がある。
「Ｚリングはポケモンの秘めた力…Ｚパワーを引き出す腕輪！」
Ｚパワー…なんか凄そう。
「カプ・コケコがくれた輝く石を加工した物ですぞ。島巡りをしてＺクリスタルを集めねば、Ｚパワーは発揮できませぬがな。それにしても直に輝く石を貰うとは…君はカプ・コケコに気に入られたのか…それとも何か使命があるのですかな」
使命…重要な使命じゃない方が私は嬉しいな。重要だったら荷が重すぎる…
「島巡りをして各地を訪れれば何かわかるのか？」
「…島巡り？」
さっきから話に出てたけど、島巡りとはなんだろう。そのままの意味かな？
「4つだ！アローラ地方の4つの島を巡り、最強のトレーナー…島巡りチャンピオンを目指すのが島巡りなんだぜ！」
「そのまんまだけどねー！冒険出来るのは楽しみー！」
なるほどなるほど…4つの島を巡って…最強のトレーナーを目指すと……って、えっ？
「…わ、私が？最強のトレーナーを？目指すんですか？」
「そうですな」
「無理です無理無理無理無理無理!!!!!」
首を何回も横に振り、否定する。本当に無理。私なんかがなれるはずない。なったら世界終わる。言い過ぎだけどそれぐらい無理。
「大丈夫だよ！パートナーのモクローと、仲間のポケモン達と頑張るんだ！」
拒否権やっぱりない！RPGでいう選択肢がはいしかないみたいなもの！理不尽な世の中だぁ…
「おれも行くからさー、一緒に頑張ろー？」
ハウ君が私に笑顔で手を差し伸ばす。ハウ君も一緒…1人よりはマシかも…そう思い、指し伸ばされた手を握る。
「…うん、頑張る…！できるだけ頑張る…！」
「そうこなくっちゃねー！」
嬉しそうに笑うハウ君につられて、皆も笑う。
「島巡りについて今度教えるよ！」
今度ということは…また勝手に家に入ってくるんだろうな。流石にチャイムはなるけどね。
「おれの手暖かいー？」
「え？……わああぁごめんなさいいぃ!!!」
ずっとハウ君の手を握ってた。恥ずかしい。でも暖かかったのは事実。
「Aって面白いねー！」
…面白いって、初めて言われた。元々人見知りな自分は他人に接するのが怖くて、友達という友達はあまりいなかった。だからこそ、嬉しかった。
「…大丈夫、ですか？」
リーリエちゃんに声をかけられ、ハッとする。
「だ、大丈夫！ありがとう！」
なんだろう、胸が暖かい気がする。

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