好きな人は彼女持ち。３【ダイヤのA】

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御幸


いつもより静かな中、ブルペンで降谷とピッチング練習をしていた。


「お前、今日の祭り行かなかったんだな」

「祭り？…だからいつもより人少ないんですね」


こいつ知らなかったのかよ

まあ、降谷なんて知ってても俺と同じで行かねーだろうなと思った。



自主練も終わり、部屋に戻って携帯を見れば何件もの着信があって驚く。


しかも全部、鳴からだった。


こいつのことだから、祭りでナンパした自慢やくだらねえ事なんじゃないかと思い掛け直すのが嫌になる。


結局無視してテレビを見てくつろいでいれば、また鳴からの着信でため息が出た。

チッ…しつけーなこいつも


「何だよ」


あまりのしつこさに苛立って電話に出れば、やはり祭りにいるのかガヤガヤと雑音が煩い。



「やっと出た！！何で掛け直さないの！！！」

「忙しいのよこっちは。で、用件は？」

「Aちゃん預かってるから迎えに来てよ」

「は…？」


鳴の口から出てきたAという言葉に思わずアホらしい声が出てしまった。


確か沢村達と一緒に行くって騒いでなかったか？

何で鳴といるんだよ


「変な奴らに絡まれてて俺が助けたの！俺が！スマホの充電もないみたいだから一也に連絡したわけ！」


気づけば急いで外に出る準備をしている自分がいて、やっぱり自覚してしまう。


こんなに心配になったりするのは、きっとAだからで本当に惚れているんだと。


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