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御幸
あれから更に体調を崩して、結局部活も学校も二日以上休んでしまった。
部の奴らが見舞い兼、冷やかしに来てくれてはいたがいつもより遠慮しているようにも見えて。
結菜とあんな事があったんだし仕方ねーかと思いながらも居心地の悪さを感じた。
「おい、差し入れだ」
部活終わりに、倉持と沢村と亮さんの弟君が部屋へとやって来て食い物と飲み物を持ってきてくれた。
御幸先輩でも風邪引くんすね。なんて、沢村に言われて少し苛ついたが無視をする。
お前にだけは絶対に言われたくねえよ
「A学校に来てるか?」
「Aとどんな関係だ!!こないだ慌てて教室へ来た時から気になってたんだよ!!!」
「ちょっと、栄純君…!!」
相変わらずのタメ口に弟君が慌てて止めるが、本当に煩い奴だなとまた無視をする。
「明日から来るみたいだな」
Aと連絡を取っているらしく、倉持が答えた。
「やっぱり倉持先輩、Aのこと好きなんすね!でもAは御幸先輩のことが好きだって噂で…」
相変わらず空気を読めないバカが、俺と倉持との間の空気を悪くしてしまった。
「栄純君バカ!僕達、これで失礼します、すみませんでした。お大事に」
「ちょっ!春っち!!バカとは何だ!!俺はな…」
色々と察したのか弟君は納得のいかない様子の沢村を無理やり引っ張り、部屋から出て行く。
どうすんだよ、この空気
あのバカほんとにやってくれたぜ……
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月5日 13時