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「まだ多分…少し気になってます…」
「ふーん…」
自分から質問しといて、ふーんって…
一見、興味のなさそうな感じの倉持先輩が何を考えているわからず困惑してしまう。
ただからかわれているだけなのか、少し自分に気があるのか、どっちかわからない
「何でそんなこと、きくんですか…?」
「気になるからよ」
どうして?何で?疑問ばかり頭に浮かぶが、同時に自分の心拍数も上がっているのがわかった。
真剣な空気と勘違いしてしまいそうな言い方
こんなのきっと、誰だって勘違いしちゃうと思う。
「ど、どうしてですか?」
「いい加減、気づけよバカ。…お前が好きなんだよ」
突然の告白に顔が真っ赤になる。
倉持先輩も自分で言っておいて真っ赤になり、少し怒ったような顔で見てくる。
アワアワと何も言えずにいると立ち上がり、部屋の扉の方に向かって行くのを見て焦ってしまう。
まさかの言い逃げ…!?
そのまま帰ってしまうと思いきや、扉の取手を掴むと後ろを振り返ることなく立ち止まった。
「今度からは俺のことも少しは気にしろ」
そう言うと、部屋を出て行き一人取り残される。
まさか、本当に告白されるとは思わないでいた私は面食らってしまって。
う、うそ……
最近、積極的に絡んでくる倉持先輩を少し意識してしまっていたのは事実だけど…でも……
既に容量が一杯になっていた私の頭に、倉持先輩との出来事も加わりパンクしそうになってしまった。
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月5日 13時