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なんてカオスな空間なんだろう
小澤さんとその友達にはすごい顔で睨まれてるし、秀明君もいつもと別人みたいだし……
「小澤さんが俺に好意を持ってくれてるのは知ってるけど、俺は小澤さんを友達としか思えないから」
「どうして！！Aさんがいるから？」
え、秀明君こんな可愛い子振っちゃうの？
ドラマでも観てるようだなと呑気にしていれば、いきなり名前を出され混乱状態
「そうだよ、俺はAちゃんのことが好きだから。だから小澤さんのことは好きになれない」
まさかの言葉に唖然としてしまって言葉も出ない。
「だったら優しくしないでよ！！Aさんチャラいって噂なのに東条君って見る目ないね！！！」
「……今何て言った？俺のこと言うのは構わないけどAちゃんのこと悪く言うのはやめろよ」
あまりにも低い声で怒るもんだから、その場の全員がビビってしまって。勿論、唖然としていた私でさえ。
「東条最低！！」
捨て台詞を吐いた友達が、泣いている小澤さんを連れて保健室から出ていった。
秀明君を見るのが怖くて、腕を掴まれたまま硬直してしまう。
どうすればいいのこの後…
それに私、自分のチャラい噂が流れているなんて知らなかったから少しショックだな…
「ごめんね、嫌な思いさせて。最近、小澤さんにしつこくされてて困ってたんだ…」
「ううん、平気だよ。そうだったんだ…」
なるほど、だから私を好きだって嘘ついて小澤さんを諦めさせたっていう事ね！
「でも、俺がAちゃんを好きだって言うのは本当のことだから」
「え…？」
そう言う秀明君の顔は赤くなっていて、とても嘘なんてついているように見えなかった。
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作者名：HIKARU | 作成日時：2020年3月5日 13時
