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「大丈夫!?」「血出てるじゃん!!」
「みんなごめん…」
リレーが終わりクラスのみんなが心配して駆け寄ってくれたけど、申し訳なくて何度も謝った。
せっかく一位だったのに私のせいで……
なんだかヒリヒリするなとよく見れば手の平と膝を擦り剥いて血も出てしまっている。
特に膝で全体重を支えてしまったからか傷が深く、歩くと少し痛んだ。
誰も責める人なんていなくて優しくて。
Aごめんな!なんて高田君も謝ってくれるものだから少し泣きそうになってしまう。
「大丈夫か?保健室行くぞ」
保健室に行こうとしていると倉持先輩が心配したような表情で来てくれて更に涙腺が緩む。
倉持先輩の登場で一緒にいたクラスの人達が、お願いします。と言って離れていった。
「Aちゃん!大丈夫だった!?」
保健室に二人で向かおうとしていると、息を切らしながら走って秀明君もやって来てくれて。
さっきのことを思い出して申し訳なくなった。
「うん、大丈夫だよ。それより、私が転んだせいで走り出するの遅くしちゃって…本当にごめんね」
「それはAちゃんのせいじゃないから。…保健室に行くなら俺が付き添います倉持先輩」
倉持先輩の方をチラッと見ると、さっきまでの優しい顔が嘘のように怖い顔になっていて。
ハラハラしてしまう。
「いーよ。俺連れてくから」
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月5日 13時