好きな人は彼女持ち。２【ダイヤのA】 (ページ32)

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スタートのピストルが鳴ると、一気に盛り上がり応援の声が校庭に大きく響く。

三走目の私は、トップランナーのスタートの後にすぐに位置についた。

今のところ順位は一位、同じ走者の子達の顔を見ると強張っていて少しホッとした。

緊張しているのは私だけじゃないんだやっぱり…

「A走れー！！」

第二走者の伊藤君が走りながら大きく叫んだ。

その声を聞いて走り出し、バトンを受け取る。

よかった…バトン成功した…！！

そのままアンカー目掛けて走る。

応援の声が一際大きくなるのがわかり、すぐ後ろに二位の人が迫っているのがわかった。

このまま一位のままでバトン渡したい……

「A！！頑張れ！！！」

やっとアンカーの高田君が見えてきて無我夢中で走るけど、相手のリードが大きすぎてバトンを渡せない。

早く渡そうと更に加速する私、スピードを緩めた高田君と思い切りぶつかって転んでしまった。

「Aちゃん！！」

秀明君が慌てて駆け寄ってくれたけどーー

「おい！何やってんだよ東条！！！バトン！！」

「……っ！！」

結局、あの後高田君は落ちたバトンを急いで拾ったけどビリから二番目でクラスの優勝を逃してしまった。

そして、駆け寄ってくれた秀明君も私のせいでビリになってしまったのだった。

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