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朝練に行くと、部員のみんなからのいつもとは違う視線に戸惑ってしまった。
な、なに…?
朝練終わりに唯先輩と幸子先輩に呼び出され、昨日の御幸先輩との事を根掘り葉掘り聞かれた。
「御幸と抱き合ってたってまじ?」
誰かに見られてた…?
朝感じていた視線の正体はこれだったんだ…
「抱き合っては…ないです」
「どういうこと?何があったのよ」
御幸先輩が泣いてたなんて口が裂けても言えないし。
興味津々な様子の二人に上手く言い訳が出てこなくて困っているとーー
「A借りてくぞ」
いきなり倉持先輩に腕を引っ張られて、何処かへと連れて行かれる。
「ちょっと!!倉持!!!」
「A連れて行くなよー!!!」
二人の怒ったような声が後ろから聞こえてくるけど、気にしていない様子
掴まれた手が少し痛くて、でも何だか怒ってるような雰囲気の倉持先輩に何も言えずに黙ってついていく。
「何処まで行くんですか…?」
「人がいねーとこ」
着いたのは、人気のない校舎裏でようやく掴まれていた腕が解放された。
なんだろう…何でこんな所に…?
いつもと様子の違う倉持先輩に困惑して、不安になってしまう。
「御幸と…抱き合ってたのは知ってる。それで、どうなんだよお前の気持ち的に。やっぱ好きなのか?」
御幸先輩を好き…
私は今でも御幸先輩のことが好きなんだろうか……
すぐに答えが出せないでいた。
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月5日 13時