好きな人は彼女持ち。２【ダイヤのA】 (ページ25)

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東条

「なあ信二…男の俺らから見てもやっぱり御幸先輩ってかっこいいよな」

「何だよ急に。まあ、確かにイケメンだよな」

御幸先輩のように特別イケメンでもない。

倉持先輩のように告白する度胸もない。

何もしてないくせに不安になって、でも何かするのが怖いなんて本当情けなくなってくる。

「御幸先輩は御幸先輩だろ？お前にはお前しかない良い所があんだから比べる必要ねーだろうが」

信二は昔からそうだ。

俺とは違って積極的で、思ったことはハッキリと口にして言葉にすることができる。

俺とは対照的過ぎて羨ましくなるよ。

それに、俺にしかない良い所なんてない。

何もかもがあの二人に劣っている気がして、男のくせに毎回ウジウジしてしまう。

「怖いんだよ…振られて気まずくなって今の関係が壊れるのが本当に嫌なんだ」

「じゃあ何もしないで他の奴の彼女になっても後悔しねーのかよ」

考えないようにしていたことを言われ耳が痛くなる。

「何もしてない時から振られるなんて決めつけんな。俺はお前を応援するぜ」

「信二……ありがとう」

そうだよな、どうせ何もしないよりは何かした方が後悔しないよな…

きっと望みなんて薄いだろうけど、諦めたくない。

「頑張ってみるよ」

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