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倉持
「今のやばくなかったか?」
「あの二人付き合ってるのかな」
風呂に入っていると、工藤とナベちゃんが何やら面白そうな話をしながら入ってきて聞き耳をたてた。
誰だ誰だ、青春してる奴らは
「何だよお前ら、面白そーな話してんじゃん」
近くにいた麻生が湯船に入った二人に近寄る。
「な!こいつ意外と野次馬、な!」
「うるせーよ!」
「いや、御幸とAさんが部室で抱き合ってたから付き合ってんのかなと思って…」
ええーー!!と面白そうに騒ぐあいつらとは真逆に、こっちは唖然としてしまって。
御幸が食堂にいなかったことを思い出した。
練習が終わっても一人で素振りをしているあいつの様子が、いつもと違うなと違和感は感じていたが……
「御幸って前まで浅村と付き合ってたじゃん。今度もまた顔で選んだんかな?」
「Aも可愛い顔してよくやるなー。浅村と別れたのもA絡みだとかって噂もあったよな」
何も知らねーのに憶測だけで話を進めるこいつらに腹が立った。
こうやって、こいつらみたいな奴のせいで事実とは全く違った噂が広まってくんだろうな…
「お前らうるせーよ!!!」
Aのことをバカにするのも頭にくるし
何よりAを何とも思わねーって言ってたあの野郎が、そんな事をしていたのが許せなかった。
急いで湯船から出て服を着ると、頭も乾かさずタオルを首にかけたまま部室へと急いだ。
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月5日 13時