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東条
「何があったのか教えてほしい」
関係ないじゃん、と言われればそうなんだけど。
困惑している表情のAちゃんに詰め寄った。
「倉持先輩とちょっと色々あって…」
「色々って何？好きだとでも言われた？」
だめだ、どうしても責め立てるようになってしまう。
図星なのか、目を泳がせるAちゃんを見て本当にわかりやすいなーと思った。
「なんで怒ってるの…？」
「ごめん、怒ってないよ。ただ、俺だけ何も状況を把握できてなかったのが嫌だったんだ。ごめんね？」
慌てて笑顔を向ければ、そんな俺を半信半疑の眼差しで見つめ返してくる。
「ほら、俺達友達じゃん。いつもは結構相談してくれてたのに最近それもなかったから…本当ごめん」
俺はずるい。友達だなんて思ってないのに。
そう聞けば、半信半疑だった表情が申し訳なそうな表情に変わり謝ってくれた。
本当はそんな表情じゃなくて、倉持先輩に見せていた表情を自分に向けてほしい。
だけど、倉持先輩のような勇気がなくて自分の気持ちすら伝えることができない。
みんな自分が悪いのに、Aちゃんを責めるなんて最低だな…
「秀明君にはいつも助けてもらってたのに。そうだよね、私の方こそごめんね…」
「これからも色々と相談しちゃうかもしれないけど、改めてよろしくお願いします」
彼氏のポジションになりたいのに、自分から友達のポジション止まりにしてしまっている。
本当は一番の存在になりたいけど怖くて。
好きになってほしいけど、振られてAちゃんと関われなくなってしまうことが嫌なんだーー。
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作者名：HIKARU | 作成日時：2020年3月5日 13時
