好きな人は彼女持ち。２【ダイヤのA】 (ページ11)

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御幸

何も言えないで黙っていると、先に口を開いたのは倉持の方でーー

「あいつのことどう思ってんだよ」

何となく予想していた言葉が出てきた。

「どうって…別に何とも思ってねーよ」

そんなすぐに他の奴を好きになるなんて、できるわけないだろ

あんな最低な事をされても尚、結菜を見ると胸が苦しくなるのが現実なんだからよ

けど、保健室で俺を庇ってくれた時のAにはすごく驚かされたな

大人しそうなのに言う時は意外と言う所が面白いというか、バカなのは俺じゃなくて結菜の方か…

その言葉に少し救われた気がして、最初の頃よりもAへの印象が変わりつつあるのは事実だが。

「俺、あいつに気持ち伝えたから。お前にその気がねーんならあいつ期待させるような事はすんなよな」

そうか、とうとうAに告ったのか。

「ああ、しないさ」

俺の為を思って結菜にぶつかってくれたAにそんな酷い事するわけないだろ

ただ、どうしてそこまで俺を好きでいてくれているのかが不思議で知りたいっていう気持ちはあるがな

「そんじゃ、早く飯食って寝ろ」

「サンキューな」

部屋を出ていく倉持の背中を見送る。

結菜と別れた後でも、倉持がずっと気にかけてくれていたのはわかっていた。

何も言ってこないが、それは伝わってきて。

他の奴らが一歩引いて俺に接してくる中、あいつだけはいつもと変わらず接してくれてたよな

本人の前では気持ちわりーから絶対言わないけど、倉持はすごくいい奴だ。

そんな倉持と一緒にいた方が、俺を好きでいるよりも絶対にAが幸せになれるなと思った。

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