好きな人は彼女持ち。１【ダイヤのA】

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「東条君CDありがとう！すごいよかった！これ、お礼に作ったんだけど。お口に合うかどうか…」

「え！手作り？貰ってもいいの！？」

「う、うん」


借りていたCDのお礼に手作りのマフィンを渡すと思ったよりも喜んでくれて驚いた。

こんな物で喜んでくれるなんて……


「ありがとう、大事に食べるよ！」

「うん！」


東条君に渡してから二年生の教室へと向かう。

実は、もう一人渡したい人がいるのだ。



二年生の階に着いたものの、どのクラスなのかがわからずに立ち往生してしまった。


「一年？……って、もしかしてAA？」


いきなり話しかけられたと思ったら、何故か私のフルネームを知っていて不思議に思う。

何でこの人私の事知ってるの？


「そうですけど…」

「まじかよ、君めっちゃ有名人じゃん！なに、なに？一体、どうしたのよ？」


何の有名人なの！？！？


入学して以来、何か問題を起こしたわけでもないし有名になる事なんてーー

！！！

もしかして…御幸先輩の事が好きだってことが二年生の間でもバレてしまったの！？


オロオロしていると誰かに肩を掴まれた。


「Aさん、どうしたの？」

「ノリ先輩…！！！」


思わぬ救世主の登場に一気に安心する。

よかった…知ってる人に遭遇できて。


「あの、倉持先輩ってどこのクラスですか？」

「倉持！？」
「え、倉持？」


フルネームで呼んできた人とノリ先輩がハモる。


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