あなたのことは苦手です。〈佐野玲於〉

気づいた想い　玲於 ページ6

俺が、あいつのことを、そのー…好きになってからしばらくしたけど、全く変わらない関係。




亜嵐くんたちも諦めたらしい。




でも…なんか、変えなきゃな。




あいつから変わることはまずないだろうから。




『佐野さん、次どうぞ』




亜「Aー！髪崩れたー！」




『亜嵐くんのはさっきしたばっかなのに！なにしてるんですか！』




亜「遊んでたらさー…」




『もー静かにしといてくださいよー笑』




まただ。




またあの模範的な笑顔。




てか、いつの間に名前で呼び合うほど仲良くなったの。




俺なんて、名前呼んだことも呼ばれたこともないのに…




『あの、佐野さん』




玲「あぁ、悪い」




俺のメイクタイムは皆ドキドキしてるだろう。




まぁ、こんな険悪ムード漂わせてたらそーなるか。




静かな時間。いつもの。




玲「あのさ、この間のことだけど」




『…なんでしょう』




玲「いや…なんていうか…」




俺の前では無理すんな、って驚くよな…




急に、しかも嫌いなやつに。




それに皆俺らに注目し始めちゃったし。




玲「…この後、時間ある…かな。」




考えに考えた結果、出た言葉。




なんだよ、“かな”って。




女子かよ。




キャーキャー騒がしいメンバー。




完全に間違えた。




玲「…無視？」




『わ、わたしでしょうか』




玲「他に誰がいんの」




『あ、大丈夫で…す』




玲「ん、じゃさっさと終わらせて」




『…はい』




よし、よく言った俺。

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