捜し人3 ページ19
「あいつに何を頼まれたの?」
「あ・・・クラス、が、知りたい、って・・・」
蒼井君はキョトンとさせてたけど、なんの疑いもなくすんなり答えてくれた。
「一組だよ。どうして、そんなことを?」
「わからない」
そういえば、どうしてそんなことを知りたいのだろうか?
「深海って、学校どこ?」
「え?」
予想外の答えが返ってきた。
確かに蒼井君は朝日と会ったって言った。
なのに、学校を知らない?
「ここ・・・」
「え?」
彼の目は点になっていた。
「本当に、この学校?」
私はうなずいた。
「そ、そうなんだ・・・」
蒼井君は苦笑いする。
私には全くわからなかった。
「朝日、とは、どういう?」
「小学生の頃の知り合いだよ。クラスがずっと同じで」
「そうなんだ」
どうりで私が知らないわけだ。
「そういえば、君の名前は?」
「黒森夕日。朝日とは中学からの、知り合いで・・・」
「そうだったんだ。よろしく、黒森さん」
愛想笑いの私に対し、蒼井君は満天の笑顔を向けていた。
「もしかして、黒森さんも天体好きなの?」
「え、あ、うん。朝日と話したきっかけも、天体からだったの。今もこれにはすごくうるさくて・・・」
「あいつ、やっぱり変わってないんだね。よかった・・・」
蒼井君の言葉の意味が少しわからなかったけど、朝日と何かあったのだろうか。
「ごめん、話が長引いた。じゃあ」
蒼井君はそう言うと、図書室の奥へ進んでいった。
(朝日、どうして学校がここだって言わなかったんだろう?)
そんな疑問を抱きながら、私は本を借り、教室へと戻っていった。
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春やよ(プロフ) - ながれさん» ありがとうございます!更新遅いですが、頑張ります!! (2017年7月8日 22時) (レス) id: 2de034be92 (このIDを非表示/違反報告)
ながれ - 台本書きじゃないって素晴らしい!面白いです。更新頑張ってください。 (2017年7月1日 14時) (レス) id: 0074eb723f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:春やよ | 作成日時:2016年7月14日 1時