dancing 5 ページ6
「お待たせ須川ちゃんー…って泉さん!?」
放送室から帰ってきたうっき〜がワカメ先輩を見つけた途端顔を青くさせて素早く私の背後へ隠れた。
うっき〜がここまで怯えてるって…一体何やったの、この人。
「あ、ゆうくん!…ちょっと、アンタ邪魔なんだけど。」
「…」
好きで邪魔してる訳じゃない。
うっき〜が勝手に隠れてるだけだ。
ため息をつきつつ謝罪をして退こうとするけど、うっき〜は私の背後にぴったりくっついて全然でて来ようとしない。
「ちょっと、うっき〜…?」
「ご、ごめん須川ちゃん!でもこの人は…」
「ちょっと、アンタ!俺のゆうくんと何勝手に話してる訳?ちょーウザいんだけど?」
「キモ…」
「す、須川ちゃん…!!」
「俺のゆうくん」という部分に嫌悪感を感じた私は、つい、うっかり思っていたことをそのまま口に出してしまった。
はっとして先輩の顔を見るが時すでに遅し。
「今、なんて言ったの?」
「い、いえ…」
本当のこととは言え、先輩相手に失礼だった。
ちょっと反省。
「あーもう!退いてよね!」
「うわっ!?」
いつまで経ってもうっき〜から離れない私(違うけど)にいい加減苛立ちを隠せなかったらしい先輩は、無理矢理私を押し退けた。
いきなりの行動に対応しきれず、廊下にはっ倒される。
「いった…」
「だ、大丈夫!?須川ちゃん!」
「あー、うん。大丈夫、大丈夫」
慌てて起こしてくれるうっき〜に無事を伝えてさっと立ち上がった。
けど、本当はあんま大丈夫じゃない。
…倒れた時に変な形で受け身を取ったらしく右手首に思いっきり体重がかかってしまった。
ジンジンと痛みを発して、すでに赤くなり始めている。
それを隠すように制服のポケットへと右手を突っ込んだ。
だってこれ見つかったら保健室行けだの何だの煩くなるに決まってる。
そんな事よりも家に帰って早く寝たい。
「大丈夫じゃないよね!?右手見せて!」
「いや、本当に大丈夫だから…」
流石にポケットに隠したのは怪しかったか。
うっき〜が何やらぎゃあぎゃあと喚いているが、絶対にこの手は出さない…
「いいから、はい。早く手を出してよね」
「!いっ…!」
こいつ…無理矢理押したかと思ったら、今度は無理矢理腕を掴んで引っ張り出しやがったな…っ!
ワカメ先輩によって引っ張り出された私の右手首は見事に赤く腫れ上がっていたのだった。
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作者名:幽咲ユノ | 作成日時:2017年6月22日 0時