dancing 1 ページ2
面倒くさい。
非常に面倒くさい事になってしまった。
「ねぇ。アンタ聞いてるの?」
「はぁ…」
全くもって何も聞いていなかったが、何故か目の前で説教している上級生らしき人物の剣幕が凄いので、とりあえずため息混じりに返事をする。
相手はそれを肯定ととったらしい。
「なんでアンタみたいなのがゆうくんと一緒に行動してるわけ?ちょ〜ウザい」
「すんません」
お前のその喋り方の方がウザいわ。
とか内心毒づいてもそれを声に出すと余計に面倒な事になりそうだったので、謝罪の言葉を述べる。
そもそもなんで転校初日にいきなり名前も知らない上級生にいちゃもんを付けられているのか、その理由は数時間前に遡る。
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「昨日も連絡したけど、今日は転校生が来てる。入っていいぞ〜」
「…ども」
保健医兼担任である佐賀美先生から入室を促され、軽く頭を下げながら黒板の前に立った。
こちらに注視する目の前の生徒達はただ一人を除いて全員男しかいない。
「んじゃ、自己紹介よろしく」
勤務中だというのに大欠伸を隠す事なく、背後の黒板に私の名前を白いチョークで書き連ねて行く担任。
そう言われてもまず、私自身が何故今この学院に編入したのか分かってないから自己紹介もクソもない気がするんだが。
「…須川A。よろしく」
自己紹介ってこんなんでいいよね?
間違ってないよね?
心の中で呟きつつ簡単に自分の名前を述べた。
私はつい最近まで都内にあるごく普通の私立高校の普通科学校に通う普通の女子高生だった。
が、何故かいきなりこの私立夢ノ咲学院のプロデュース科の生徒第2号として大抜擢を受けた私は、今まで通っていた学校を転校する事になってしまったのだ。
それも唐突に。
転校する前々日にその事を伝えられたものだからこっちだってかなり混乱したし、正直に言ってしまえば手続きだのなんだので非常に面倒くさかった。
なんだってプロデュース科になんて入る事になってしまったのだろうか。
私、プロデューサーになんてなろうとも思った事は生まれてこのかた一度もないし、もっと言うなら将来の夢とかそう言うのも幼少期からずっとなかったのにな…。
「んじゃ、須川の席は…あんずの隣な」
先生の指の先を見ると唯一この男だらけのクラスにいる女子生徒が座っている席の隣の机が空いている。
了解の意味を込めて一度軽く頷いて先生の指定した席へと足を進めた。
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作者名:幽咲ユノ | 作成日時:2017年6月22日 0時