act.40 ページ41
A『えっと,,,ここで合ってるよね?』
コツっと硬い自分の上靴の音が響く。
一応、時間には合わせてきたものの、ガーデンテラスにはあまり人がいないようで。
A『何処に居るんだろ?』
(見た感じ、誰もいないんだけど…)
可笑しいと思って、中に一歩踏み出すと。
(あ、いた!)
そこには、あんずちゃんらしき人が居た。
A『あ、あんずちゃ…っ』
声をかけようともう一歩踏み出す。すると、もう1人、人影が___
A『え、泉……?』
見えたのは、確かに灰色の猫っ毛の、泉だった。
戸惑っている私の気を引くように、ガタッと立ち上がるあんずちゃん。
するとそのまま……
A『え……キ、ス?』
2人がピッタリ重なっている。
違うかも?って疑ってみるけど、本当に、そうしか見えなかった。
(何で……もう、私とは関係ないけどっ……)
(私も、そんな事言えた身じゃ無いし……)
固まりながらも、自分と葛藤する。
A『…私が悪いんだ…ごめんね、泉……。』
はぁ、っと大きく息を吐き出す。
(私、泉に甘えてたのかもしれないなぁ)
何処かで、泉が待ってくれてるって思ってたのかもしれない。
(だから、こんなに泉があんずちゃんと付き合ってるって分かった今、苦しいんだ…。)
吹っ切れた気持ちを表すように、温かいものが目の淵に溜まる。
(戻ろう……)
そう思った瞬間。
ふっと温かいものが目を覆う。
それが誰かの手であることはすぐに分かった。
A『えっ……』
そっと確認しようすると。
その瞬間、するっと目を覆っていた手が片方だけ離れた。
(……?だ、れ……?)
不思議に思って誰か考え出したその時。
A『えっ!?わわっ……!!』
ふわりと体が浮いた感覚がして、思わず驚く声が漏れる。
けれど、落ちてしまうことは決してなく、抱き抱えられているのが分かった。
でも目は片手で覆われたままなので、誰なのかは分からない。
(ほんと、何なんだろ……?)
背中に回っている手は優しい。それもあるけど、全く恐怖感も嫌な感覚もないのは。
A『もしかして…、零くん?』
さっきからカーディガンのようなものが頬に当たっているし、何よりあの、“零くん”の香りがする。
(……、違うかな?)
何も発しないのを感じて、少しだけ違和感を感じ始めていると。
零「…当たりじゃよ、A♪すまんのう、…我輩、思ったより嫉妬深いのかもしれん」
不意に、耳元でそう囁かれた。
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M!LK(プロフ) - あおいさん» コメありがとうございます!確かにそれぞれのENDも見たいですね、、、!凛月や王さま、零や泉、それぞれキュンキュンできるように頑張りますね!引き続き楽しみに待っていてください! (2020年3月12日 16時) (レス) id: 1b4521cc4b (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - う〜ん!いろんなENDが見たくなっちゃいます!!!!凛月も王さまも泉さんも零も見たいです!!最新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年3月12日 2時) (レス) id: 456648e3b3 (このIDを非表示/違反報告)
M!LK(プロフ) - さまこ人間失格さん» さまこさんありがとうございます〜!楽しみが半減しちゃうかもしれないので言えませんが、、、楽しみにしててください!もっと早く更新できるように頑張ります! (2020年3月11日 21時) (レス) id: 3afeea2cde (このIDを非表示/違反報告)
さまこ人間失格(プロフ) - すごく面白いです!個人的に瀬名先輩と夢主がよりを戻すのを期待しています!更新待っています!頑張ってください! (2020年3月10日 23時) (レス) id: 97a76333d2 (このIDを非表示/違反報告)
M!LK(プロフ) - はやみんさん» はやみんさん、コメントありがとうございます!頑張ります〜♪ちなみに使わせて頂いた言葉はミゲル・デ・セルバンテス という方のものです! (2020年2月27日 21時) (レス) id: 3afeea2cde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M!LK x他1人 | 作成日時:2020年1月19日 13時