act.39 ページ40
A『何でここに……』
扉のところに立っているのは、紛れもなくあんずちゃんで、私の心はどんどん暗くなってしまう。
(正直、今は会いたくなかったんだけど…)
泉のこともあるし、色々と心の整理もしたいし。
私が固まっているのに気づいたのか、薫くんが
大丈夫?と声をかけてくれる。
(無視する訳にも行かないし、平然としてなきゃ…)
A『ありがと、薫くん♪私、ちょっと行ってくるね』
ガタッと席を立ち、いつも通りのニコニコとした笑みを浮かべたあんずちゃんの元へ向かった。
A『ご、ごめんね!遅くなって…』
あんず「いえいえ!来てくれただけで安心しました…♪私、もう嫌われちゃったのかと…!」
(今、私、どんな顔してるんだろ……)
わざわざ泉のことに触れるように攻めてくるあんずちゃんに、私の顔はぎこちない笑みすら浮かべられてないかもしれない。
A『ううん、そんなことないよ!』
あんず「だって…私が瀬名先輩を奪っちゃったみたいで…」
うるうるとした目で見つめてくる姿に、心がモヤモヤしてしまう。
(もう私は泉とは関係ないんだから…!)
A『違うって分かってるから大丈夫だよ!もう吹っ切れたし…!』
嘘をついて明るく振る舞うと、さっきの泣きそうな表情はどこへやら、そうですよねぇ♪と笑ってくるあんずちゃん。
A『あ、えっと!それよりなんの用かな…?』
これ以上話を続けたら私の性格の悪い部分が出そうで、耐えられなくて、無理やり話を逸らした。
あんず「あ、脱線してすみません♪今日の要件はですね!」
あんず「プロデュースでわかんない所があって!教えて欲しいんです!」
(もう関わりたくないんだけど…)
でも、私情を持ち込んであんずちゃんや、ましてやみんなを巻き込む訳にはいかない。
(プロデュースってことは皆にも関わるよね!)
A『うん!分かった!』
あんず「それじゃあ、今日の放課後にガーデンテラスで待ってますねぇ♪」
それでは♪と去っていくあんずちゃんの姿が見えなくなると。
A『はぁ……』
一気に肩の力が抜けた。
薫「ねぇねぇ、聞いた感じ後であんずちゃんに会うみたいだけど。大丈夫なの?」
いつの間にか後ろにいた薫くんに、そう問われる。
A『大丈夫、大丈夫!だってプロデュースのこと教えるだけだしね…!』
そう笑って答えると、この話題は終了した。
この時の私は、まだあんずちゃんの計画に気づいてはいなかった。
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M!LK(プロフ) - あおいさん» コメありがとうございます!確かにそれぞれのENDも見たいですね、、、!凛月や王さま、零や泉、それぞれキュンキュンできるように頑張りますね!引き続き楽しみに待っていてください! (2020年3月12日 16時) (レス) id: 1b4521cc4b (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - う〜ん!いろんなENDが見たくなっちゃいます!!!!凛月も王さまも泉さんも零も見たいです!!最新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2020年3月12日 2時) (レス) id: 456648e3b3 (このIDを非表示/違反報告)
M!LK(プロフ) - さまこ人間失格さん» さまこさんありがとうございます〜!楽しみが半減しちゃうかもしれないので言えませんが、、、楽しみにしててください!もっと早く更新できるように頑張ります! (2020年3月11日 21時) (レス) id: 3afeea2cde (このIDを非表示/違反報告)
さまこ人間失格(プロフ) - すごく面白いです!個人的に瀬名先輩と夢主がよりを戻すのを期待しています!更新待っています!頑張ってください! (2020年3月10日 23時) (レス) id: 97a76333d2 (このIDを非表示/違反報告)
M!LK(プロフ) - はやみんさん» はやみんさん、コメントありがとうございます!頑張ります〜♪ちなみに使わせて頂いた言葉はミゲル・デ・セルバンテス という方のものです! (2020年2月27日 21時) (レス) id: 3afeea2cde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M!LK x他1人 | 作成日時:2020年1月19日 13時