広い世界を、俺が。【瀬名泉】 (ページ2)

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「瀬名くん!ねえねえこの写真やばくなーい?」

「この前撮ったのー♪うちらのベストショットー♡」

「...あっそ、どいて。邪魔」

「えー、ひどいー!」

話しかけないで、触んないでよねぇ、クソ女
レッスンしないなら帰んな。

モデルスマイルなんて、そんなの忘れた。

ただひたすらに回りの奴にイライラして、大嫌いで
いちいちウザくて、本当に俺だけがレッスンできればって思う。

関わって欲しくなくて、全員避けて

ついには、誰も

俺に話しかけてこなくなった。

構わない、むしろそれを望んでた。

やっと叶った、一人になった

「...俺一人で、成長してやる」

足枷はもう、いないのだから。

***

それから一週間。

(1and 2 and 3 and 4...)

練習は、いつも一人。

変わらない。

...反対のバーで練習する、あいつを除けば。

(まぁたいるわけぇ...?)

ここまでくると、まさか俺のファン、とか

そう考え始めたら、思考が止まらなくて
何故だろう、イライラしていた俺は

「ねぇ、あんた」

その女に、話しかけてて。

『...は、い...?』

返事をして振り返った女に、全てをぶちまけた。

「あんた、いつもいつも残ってるけど、俺のファンなの?そういうの、ウザいんだけど。クラス上がったのもどうせ俺が見たいからでしょぉ?さっさと帰んな、目障りだからぁ!!」

『え...と、ごめんなさい...』

はあ?

謝るとか図星なわけ?

「ちょ～うざぁい!なんなのあんた、気持ち悪いなぁ!」

『ちょ、ちょ、ちょっと待ってください、なんのお話されてるのかさっぱり...?ファン...有名な方、なんですか?』

「...は?」

待って。こいつ。

「俺のこと知らないわけ?」

『あーっと...知って、ます...!あの、同じクラスの方ですよね!!』

「っそこじゃないでしょぉ!?」

なんなのこいつ、俺を知らない...?

じゃあ...

「...なんでいつも、残ってるの」

『自主練習ですよ。...っふふ、それ以外何があるんですか?』

っこいつ

笑いよった
生意気。

って言っても

「この教室、同世代しかいないでしょ。なんで敬語なの」

『あ、そう言えばそうですね!なんだ、安心!』

ボケてんのか、こいつ

なんか

さっきまでのイライラが、どっかへ行ったよ、あんたのせいで。