灰崎くんと義足ちゃん Part3

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あの後、私たちは閉じ込められたから初めて愛し合った

最後、祥吾に優しく、丁寧に抱かれたのはいつだったかと思い出そうとしても思い出せない

今までは愛のない行為だと思っていたから、何だか新鮮だ

まさか閉じ込められると思ってなかったけど、祥吾の本命が私で良かったと思う

他の女だったら閉じ込められた瞬間に喚き散らすだろうし、私よりも早く逃げ出しただろう

そうしたらきっと祥吾もそのままじゃおかないから、本当に良かった

祥吾に優しく抱かれた次の日の今日、私はベッドから動けない

結局体力が尽きたからだ

私が寝ていて、祥吾が私の荷物の整理をしている


貴「…バッグは取っておいたんだ？」

灰「まあ…一応？」

貴「あ、ケータイもある…うわっ！何この着信とメールの量……こわっ…えっ誰…？赤司…？」

灰「あ〜〜…それは…まあ、うん」

貴「お前何か知ってるだろ。言えよ」

灰「………お前を閉じ込めてる時、赤司に会ったんだよ。で、お前と連絡が取れないって相談された」

貴「なるほど。で、お前は何か言ったの？」

灰「居場所とか知らねーし、仕事忙しいんじゃねぇのっつって別れた」

貴「…この大嘘つきが……」

灰「悪かったよ、バレてるのかと思って嘘ついたんだ。そもそもバレたらヤバいだろ」

貴「まあヤバいけど」

灰「で、まあ後からそれ確認したらその量だったから放置」

貴「せめて私のフリで返したりとかしてくれよ…。赤司だけじゃなくて他の人からも来てるし…返さないと…」

灰「返したら面倒だと思って」

貴「くそ…」

灰「あとこれ、義足な」

貴「あ、義足！懐かしい…久しぶりだ…」

灰「…もし合わなくなってたら今度作りに行くか」

貴「行く。でも良いの？私にこれ返して」

灰「あ？」

貴「これ付けて逃げちゃうかも。二度とお前と会わないかもしれない」

灰「………なに、逃げんの？」


そう言った祥吾の顔が悲しそうで、寂しそうだった

…この反応で愛されてるんだって思う私も、祥吾と同じくらい歪んでる気がする


貴「ごめんごめん、嘘だよ。もう逃げないし、お前のそばから離れない」

灰「……絶対な」

貴「ん、絶対。約束」

灰「約束破ったらまた閉じ込めてやるから覚えとけよ」

貴「こわ…絶対逃げないわ…」

灰「…あ、あっちにお前の服一式置いてあるからいるのといらないのに分けてくれ」

貴「………服一式が何でここに？」

灰「…言っても怒んねぇ？」

貴「言ってみ」

灰「お前のアパート解約した」

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