灰崎くんと義足ちゃん Part3

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灰「………何だよお前、やっぱりおかしいって」

貴「そんな事ねーよ」

灰「…あー…なに、ここにずっといておかしくなった？」

貴「閉じ込めてんのお前だぞ」

灰「そうだけど…」

貴「つーかお前こそ何で？」

灰「だっ…て、嫌がってたじゃねぇか。一回逃げたし」

貴「……まあ、多少はな。でもな、知ってるか？監 禁罪は閉じ込められてる方が受け入れてれば合法なんだぞ」

灰「…合法？」

貴「そう。だから私たちのこれは合法。私が受け入れてるから」

灰「いや、でも…さすがに助けがここに来たら、」

貴「…やっぱりちゃんと言わないと伝わらないっぽいから言うけど、私はお前と離れたくない」

灰「…は？」

貴「最初は嫌だったし今でもお前が怖いけど、私は離れたくない。それに、助けられてその後は？就職し直して、お前にバレないように新しいとこ引っ越す？無理だろ」

灰「…赤司とかなら、何とかするかもしんねぇだろ」

貴「…例えそうだとしても、なんか…お前とは離れたくない。離れたくないし、抵抗も出来ない。お前はこの結果を望んだんじゃないのか？」

灰「望んだって？」

貴「私を閉じ込めて、お前から離れられなくして、助けを求めなくなった私を望んだんだろ？叶ったじゃねぇか」

灰「最初は…そうだったけど、やっぱりなんか…」

貴「……ここまでしておいてやっぱりとか、ナシだろ。お前に奪われた私の時間はもう戻らない」

灰「あ…」


何かに気付いたかのように祥吾の顔から血の気が引いた

何をそんなに弱気になっているのか知らないけど、事実だからな


貴「…祥吾。でも私は、その時間を返せなんて言わない。実際どのくらい経ったのかも知らないし、例え返すって言われても、いらない」

灰「な、んで」

貴「分からないけどお前と一緒にいたい。今はもう、閉じ込めた事に怒ってないし受け入れてる。私を一生このまま出さないつもりならそれでも良い」

灰「………A、」

貴「祥吾。これがお前の望んだ結果だろ？何でそんな顔するんだ」

灰「…どれくらい視野が狭くなっていたかとか、お前の時間を奪ったとか、バカなことをしたとか、考えてた」

貴「私はこんな身体だから、むしろこうして祥吾に囲われてた方が良い。皮肉な話だが、仕事をしていた時よりも今の方が体調は良いしな」

灰「…嘘だろ？今の状態で？」

貴「前はこれよりも大分酷かった」

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