152 ページ2
灰崎視点
………
灰「…は?」
貴「食事の摂り方を教えてほしいの」
虹村さんと姉ちゃんが同棲し始めて、結婚してからちゃんと会うのは初めてになる
呼び出されたと思ったら、これ
姉ちゃん、頭おかしくなったか?
………あれか、虹村さんとの関係が上手くいってなくて悩んでおかしくなったか?
飯の食い方が分からなくなるくらい?
……かなりヤバくないか?
灰「………とりあえず、虹村さんから慰謝料もらわねぇとな……」
貴「祥吾?どうしてそうなったの?」
灰「いやだって…姉ちゃんがおかしくなったのかと思って…」
貴「至って正常よ、失礼ね」
灰「じゃあどういう質問だよ…」
貴「ほら、私は甘いものしか食べられないじゃない?」
灰「ああ」
貴「それでね、最近普通の食事も摂ってみようと思って挑戦してみているんだけど中々上手くいかなくて」
灰「………姉ちゃん、普通の飯食おうとしてんの?」
貴「身体に悪いと修造くんにも言われたし…私も、そう思ったから食べてみているわ」
灰「マジか……」
貴「でも難しくて…身体が拒絶しているみたいで何度も吐いてしまうのよ」
灰「………だろうな」
貴「だから、普通の食事の摂り方を聞きたくて」
灰「……んなの分かるわけねぇじゃん。俺は普通の飯を生まれた時から今まで食ってんだから」
貴「…そうよね……修造くんを見ていても私が甘いものを食べる時のように食べているから」
灰「甘いものと同じように食ってみろよ」
貴「……ダメだったわ。野菜ですら食べられなくて…」
灰「それはヤバいだろ…」
貴「そうよね…」
…それにしてもあの姉ちゃんがねぇ……
普通の飯が食えなくなった時、別にいいっつってたのに
甘いものは好きだし困らない、自分の身体がどうなろうが知ったことかとまで言っていたのに
………虹村さんって、本当すごいな
灰「…ふーん……」
貴「…なぁに?」
灰「いや、姉ちゃんがそうやって変わってくのって虹村さんのおかげなんだなと思って」
貴「……私だって人間だもの、変わるわ」
灰「だから虹村さんはすごいって話」
貴「会話が出来てないわよ」
灰「お互い様じゃん」
貴「…違うわ、こんな話をしたかったんじゃないの。私は食べ方を教わりたいのよ」
灰「だーから、教えられねぇよ。噛んで飲み込めば腹に入んだよ普通は」
貴「……吐き出すのを我慢すれば良いのかしら」
灰「…やめとけ、身体に悪そうだ」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:碧夜叉 | 作成日時:2019年5月13日 9時