【黒バス】花屋敷 Part3

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貴「あのっ、あのね、修造くん」

虹「ん、なに？」

貴「…………あれは……聞かなかったことに…」

虹「…それは無理」

貴「ど、どうして」

虹「だってすげぇ興奮した。あのAさんが荒れた口調で話してんの」

貴「………やめて……恥ずかしい…」

虹「何で？良いじゃん、別に。俺の前でまでお淑やかじゃなくたって俺は嫌いになったりしねぇから」

貴「だ、だって…ずっとこうだし……今更そんな…」

虹「俺は結構好きなんだけど」

貴「私はあまり好きじゃないわ…」

虹「ふうん…まあ口調だけじゃなくて蹴り上げたのも大分良かったけど」

貴「あ、」

虹「Aさんって本当に昔やんちゃだったんだな」


ケラケラと笑う修造くんに思わず頭を抱えたくなる

もっと注意するべきだった………

でも一番なにが原因って、あれがしつこかったからよ

私は別に…悪くないと思うわ、正当防衛よ

ただ、修造くんに見られたのは…予想外だったけど…


虹「あー、今日は良いもん見たから午後も仕事頑張れるわ」

貴「あ、あのねぇ…私からしたら良くないのよ…」

虹「でも可愛かったし、興奮した」

貴「……昼間から変なこと言わないで」

虹「本当なのに」

貴「他の人もいるのよ？」

虹「あー、まあそっか…。つーか、さっきの男ってAさんのなに？ただのナンパ？」

貴「………あれは…ほら、あの…付き合ってると勘違いしてたっていう…」

虹「昔関係持ってたって人？」

貴「え、ええ」

虹「………ヨリ戻そうとか言われたわけ？」

貴「…よく分かるわね」

虹「大体そうだろ。なんて答えたの」

貴「あら、さっき蹴り上げたのを見たのに分からないの？断ったわよ」

虹「ふうん…」

貴「疑ってる？」

虹「…いや、そういうわけじゃないけど」

貴「……本当に断ったのよ？私は修造くんを裏切れないって」

虹「…裏切れない、ね」

貴「ええ、当たり前よ。それとも裏切ってほしい？」

虹「うわ、絶対やだ」

貴「ふふっ、絶対にないから安心して」

虹「…ん」

貴「それじゃあね、お弁当を渡したから帰るわ」

虹「……じゃあまた家でな」

貴「ええ」

虹「あ、待ってAさん」

貴「え？」


ぐ、と後ろから腕を掴まれて、キスをされる

こ、こんなところで


貴「し、修造くん！」

虹「…男除け」

貴「……大丈夫よ…そんなに心配しなくても…」

虹「俺が心配したいだけだから」


そう言われて顔が赤くなる

その顔のまま、私は帰路についた

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